「大ヒット盤」浜田省吾『Journey of a Songwriter』


社会
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浜田省吾『Journey of a Songwriter~旅するソングライター』

曲調が多彩になった名盤

 18作目のオリジナル。同じ10年ぶりとなるサザンオールスターズが大衆音楽の最前線に挑んだのに対し、彼は同年代との共生を選んだようで、どちらも名盤だと感服した。

 リード曲の『夢のつづき』のような爽快なフォーク調から、ドゥーワップ、ムーディーなワルツ、そして中嶋ユキノとのユニゾンが印象的なダンスポップスの『夜はこれから』と、曲調が多彩になった点には驚いた。主人公が家を出る7曲目『五月の絵画』以降、大きく変化するのは偶然か。
 他方、人間愛に満ちた視点や、切なくも常に温かい歌声は変わらない。どの曲も、家族、恋人、友人、そして人類に対して誠実で、彼の自分史かと捉えてしまうほど。特に、3楽章の大作『アジアの風 青空 祈り』に続く『誓い』が秀逸。亡くなった友をしのびつつ、「すべての心ある仲間と(再生を)誓う」という言葉に、誰もがもうひと踏ん張りしたくなることだろう。
 本作から、年相応に生きつつも心を新鮮に保つための最高のヒントを得るはず。
 (ソニー・通常盤3000円+税)=つのはず誠
(共同通信)
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つのはず誠のプロフィル
 つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。

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つのはず誠