高校生アンケート 「戦後何年か」正答54%


社会
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 ことしが沖縄戦が終結して何年目か正しく答えられた高校生の割合は54・7%で、戦後65年だった10年の前回調査時の70・9%より低下したことが22日、沖縄歴史教育研究会と高教組が高校生を対象に実施したアンケートで分かった。米軍普天間飛行場の移設先については「県外・国外」を求める割合が34・6%で、前回調査時(2010年)より12・2ポイント減となり、「分からない」が3・3ポイント増の36・0%となった。

 沖縄戦について学ぶことは「とても大切」、「大切」と考えている生徒の割合は94・1%に上り、調査開始の1995年以降過去最高となった。沖縄戦の学習意欲は高いが、米軍基地に関しては判断を迷う生徒が増えていることが読み取れる。
 普天間飛行場の移設先については「辺野古移設」は前回より3・1ポイント増の8・8%、「普天間そのまま」は5・9ポイント増の20・7%となったが、沖縄に米軍基地があることについては「全面撤去」と「整理縮小すべき」を合わせて62・0%に上り、基地との共存を望まない声が過半数を占めた。
 結果の分析を担当した沖縄歴史教育研究会顧問の新城俊昭・沖縄大学客員教授は、沖縄戦を学ぶ意義について多くの生徒が肯定的に捉えていることについて、「体験者が減少していく中、多くの若者が『沖縄戦の実相を伝える継承者』としての自覚を抱くようになっている。平和教育の一つの成果だ」と評価した。
 基地問題ついては「県外国外」移設が減少し、「分からない」が増えていることについて「基地形成の歴史的経緯や基地の実態を学ぶ機会が少ないため、危険性が理解できないのではないか。沖縄戦だけではなく、歴史教育をベースに、基地問題など『現代の課題』にも応えるための教育が必要だ」と話した。
 アンケートは5年ごとに実施しており、今回は1~3月、県立各高校の2年生2クラスを対象に実施した。60校中36校が回答した。回答数は2340人。