石垣島トライアスロン 桑原(男子)連覇、江村(女子)初V


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 【石垣】石垣島トライアスロン大会2015(主催・日本トライアスロン連合、共催・石垣市、琉球新報社など)が24日、悪天候のためスイムを中止し、2種目のデュアスロン(バイク-ラン)に変更して開かれた。強風のためバイクも50キロから短縮して27キロ、ラン10キロの計37キロのコースで行った。

2年ぶりの開催で男子は桑原寛次(那覇市)が2年前の前回大会に続きトップでゴールし、女子は江村彩(石垣市)が初優勝に輝き、県勢が活躍した。
 前回まで開催された世界トップレベルの選手が参加するワールドカップの実施は見送られ、個人の部(エイジ部)に県内外の519人、リレーの部に70組(170人)が出場した。リレーの部は「ちゃーいけ!島の高校生!!」チームが優勝した。完走率は個人の部が98・8%、リレーの部が97・1%だった。
 石垣島トライアスロンは新石垣空港の開港で大幅に観光客が増加し、宿泊施設が足りなくなっていることや、交通量の増加で競技コースを見直す必要があることなどを理由に2014年大会が休止され、距離やコースを見直し再開した。

◆「全力で」と集中し結果 桑原
 昨年の休会を挟み2大会連続の優勝を飾った桑原寛次は「調子は良かった。すごく楽しめた」と満面の笑みで喜んだ。スイムは中止、バイクは距離が短縮され「これだけ短いコースはあまり経験がない」とレース展開の行方が想像できなかったが「全力でやるだけ」と集中。バイクとランは共に体がよく動き「勢いに乗った」と自信を持ってゴールした。
 スイムの中止でバイクは10人ごとにスタートする方法に変更された。距離の短縮でスピード勝負になることが想定されたが、自身の組の出発は後半となり、前後が団子状態で序盤は集団から抜け出すのに苦しんだ。
 しかし「(距離が)短くなればなるほど全開でいかないと」と、休むことなくペダルをこぎ続けた。どの位置にいるのか分からず常に不安はあったものの「練習した体の使い方ができた」と思い通りに速度を出せた。
 その勢いをランにつなげ「ここ数年の中で一番早い」という35分で走り抜け、総合記録で2位と1分近く差をつけた。
 「気分を高める大会になった。ことしは今後、練習に集中して、来年の各大会でトップを狙えるよう頑張りたい」と見据えた。
(謝花史哲)

◆満足感で笑み 江村
 初めて女子1位を勝ち取った江村彩はゴールした瞬間、ほっとした表情を浮かべ、左手を少し上げて握り締めた。「10位に入れば十分だったけど優勝できてうれしい」。予想以上の結果に満足感で笑みがこぼれた。
 埼玉県から9年前に石垣市に移住し、3年前に出場した石垣島トライアスロン大会リレーの部をきっかけにトライアスロンを本格的に始めた。前回大会で初めて個人の部に参加したが、10位台で終わった。
 「大きな課題はラン」と強化すべき種目を整理し、悔しさをばねに、市内の実力者と一緒に練習したり、トレイルラン大会に出場したりして力の底上げを図ってきた。
 今大会はバイクとランの2種目勝負になったが、「ペースは落ちなかった」と調子の良さを感じた。終盤は向かい風になったが、男子選手の集団でレース展開できたことが奏功し「風の抵抗を減らしながらペダルをこげた」。課題のランに入ってトップを意識し、抜かれないよう力を出し切り走破した。
 「今大会はスイムが中止になり残念だった。バイクも通常の距離だったらもっと厳しくなる。さらに練習して来年も出場したい」と意気込みを語った。

2年ぶりに開催された大会に挑み、トップでゴールする桑原寛次=24日、石垣市の市陸上競技場
上げた左手を握り締めゴールを喜ぶ江村彩。初優勝に輝いた