米軍飲酒制限解除から半年 軍人軍属逮捕6割増


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 在日米軍が沖縄に駐留する米4軍の軍人・軍属の外出と基地外飲酒を制限する行動指針「リバティー制度」を2年ぶりに解除してから9日で半年がたつ。琉球新報のまとめで、米軍が指針を解除した2014年12月9日から15年6月8日までに発生した刑法犯や飲酒運転などの道路交通法違反による米軍人・軍属の逮捕件数は36件で、前年同期の22件と比べて約6割増加したことが分かった。

根本的な綱紀粛正策が施されない中での規制解除で、米軍関係者の犯罪は増加している状況が浮き彫りになった。
 一方、県警がとりまとめたリバティー制度解除後の15年1~5月の飲酒運転による米軍人・軍属の逮捕件数は15件で、前年同期比で6件増加した。飲酒運転による逮捕者全体に占める米軍人・軍属の割合は14年1~5月は6・04%だったが、15年1~5月には9・32%に増えた。6月に入ってからも、米空軍嘉手納基地所属の兵士が酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕された。
 規制解除後に起きた米軍関係者の主な刑法犯事件は、ことし5月24日に那覇市で起きた米海兵隊員による強盗傷害事件、14年12月18日に北谷町で米陸軍兵が警察官に体当たりした公務執行妨害事件など。
 半年前に解除された規制は、12年10月に本島中部で起きた2米兵による集団女性暴行致傷事件を受けて導入した。当初は在日米軍全兵士に深夜外出禁止を命じ、その後、段階的に緩和していた。(島袋良太、大嶺雅俊、仲吉輝)