芸能・文化

全盲の高1三刀屋さん、堂々唄三線 地謡夢見て奮闘中

 【東京】琉球古典音楽に魅了された全盲の高校1年生三刀屋(みとや)美鈴さん(15)=東京都=が沖縄で琉舞の地謡になることを目指し、奮闘している。自宅近くで毎年開かれている沖縄のイベントで偶然出会った県立芸術大学の卒業生に師事し練習を重ねてきた。

目が見えないハンディを乗り越え、唄三線に磨きをかけている。三線への思いは日増しに募り、県立芸大への入学を目指し、琉球古典芸能コンクールでは新人賞にも挑戦する。
 父淳さんと母道子さんが沖縄好きという美鈴さんが三線に出合ったのは3年ほど前。豊島区東池袋のサンシャインシティで開かれている「沖縄めんそーれフェスタ」での三線体験だった。
 それまではずっとピアノを習っていたがあまり上達しなかった。三線も「最初はほとんど弾けずに諦めかけていた」という。
 だが、目が見えないながらも指先の感覚を研ぎ澄ましていくうちに少しずつ弾けるようになった。「琉球の歴史を感じられる」という理由から「かぎやで風」「辺野喜節」など琉球古典音楽が好きになった。
 昨年転機があった。めんそーれフェスタの三線ライブで琉球民謡を口ずさんでいた美鈴さんを、出演していた芸大卒業生らが見つけてステージに上がるよう促し、飛び入りで共演。その後は都内に住む芸大卒業生から唄三線の指導を受け、めきめきと上達していった。ことしは芸大卒業生と一緒にめんそーれフェスタで“正式に”ステージに上がった。
 6日のステージでは芸大卒業生らと「安里屋ユンタ」を演奏。ソロも担って「芭蕉布」を披露した。説明がなければ全盲とは分からない堂々とした演奏で来場者を沸かせた。
 美鈴さんはさらに本格的に三線を学ぼうと県立芸大入学を目指し、8月には琉球古典芸能コンクールで三線の新人賞を狙う。
 めんそーれフェスタに一緒に出演した名城一幸さん(39)=恩納村=は「昨年より上達している。音楽は目が見えないのは関係ない」と期待する。
 両親と何度も旅行で沖縄を訪れている美鈴さん。「海と風と沖縄の人と三線が好き。将来は琉球古典音楽を勉強して、琉舞の地謡になりたい」と夢を語った。(仲村良太)
英文へ→Blind Student Mitoya chases her dream to be a Sanshin singer