探査犬が大活躍 インドクジャク駆除事業 黒島・小浜島


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インドクジャクの卵を捜索する探査犬(竹富町自然環境課提供)

 【竹富町】竹富町が黒島と小浜島で実施している、特定外来生物インドクジャクの卵駆除が成果を挙げている。インドクジャクは両島で繁殖し、農作物被害や生態系への影響などが問題となっており、同町は昨年から探査犬による卵の捜索事業を開始し、ことしは前年の約2・9倍の333個を駆除した。

 卵駆除活動は繁殖期に当たる4月9日から6月4日にかけて実施した。訓練を受けた3匹の探査犬で島全域を捜索し、黒島で卵144個、小浜島で189個を発見した。ひな13匹も見つけた。
 竹富町自然環境課によると、インドクジャクは1975年ごろ、観賞用として小浜島のリゾートホテルに持ち込まれたが、台風などによる飼育施設の破損で逃げ、野生化し繁殖した。小浜島から黒島や新城島にも持ち込まれ、増加したという。
 同課は沖縄本島北部で行われた探査犬によるマングース駆除事業に着目。クジャクの卵の捜索に応用可能か事業者に相談し、訓練を重ね昨年、着手した。ことしは1匹から3匹に増やし、態勢を強化した。
 同課の担当者は「昨年の基礎調査で生息域や産卵場所などが解明されたことも、駆除数増加の要因」と分析し、成果を実感。次年度以降も実施していく予定だ。担当者は「箱わななども含め、この数年間の事業の成果が見えてきた。今後もさらなる工夫で減少につなげたい」と話した。