翁長知事「地位協定改正が先」 解釈改憲の政府に苦言


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県議会で発言する翁長雄志知事=29日午前

 県議会6月定例会は29日、一般質問が始まり、自民の8人が質問に立った。翁長雄志知事は「日米地位協定(の実態)は沖縄からよく見える。どこの国にもない従属的な内容だ。憲法の解釈を自民党でやっているが、憲法改正より地位協定の改正の方が先ではないか」と述べた。

自主防衛の必要性を訴えた座喜味一幸氏が地位協定改定に向けて知事からの発信を促したことに答えた。
 翁長知事は在沖米軍基地の過重負担を念頭に「本土と(基地負担が)平等である限りにおいて、私自身はこれからも日米安保体制の中に置かれている状況は認めていきたい」と述べた。また基地負担に関し「日本政府がしっかりと各自治体に向き合って取り組めば、必ず分散は可能になると思う」と強調した。座喜味氏、仲田弘毅氏への答弁。
 沖縄の歴史や実情に関する全国的な理解の深まりについて「戦前世代の方がいなくなる前に沖縄が発信しないと本土の理解も得られない。沖縄が口ごもったら物事は解決しない」と述べた。花城大輔氏への答弁。
 2012年度に解散した県水源基金に代わる永続的な振興策を求める意見書を国頭村議会が可決した件で、翁長知事は「一般的に言うと、そういった努力は行政としてもやるべきだろう」と述べ、水源地域に対する財政支援の必要性について理解を示した。具志堅透氏の質問に答えた。
 末吉幸満土木建築部長は石垣空港の旅客ターミナルについて「石垣空港ターミナル社は旅客数や就航機材の動向を踏まえ、出発ロビーの拡充など施設の増築の検討を開始する」と述べた。国際線については同社や石垣市と連携し、施設整備を進めていく考えを示した。砂川利勝氏への答弁。
 このほか、具志孝助氏、島袋大氏、新垣良俊氏が登壇した。