県小児救急相談♯8000 「コンビニ受診」抑制に効果


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 夜、子どもが熱を出し、救急外来に行くべきか迷った時に相談できる、県小児救急電話相談事業(#8000)が7月で開設5年を迎える。県から受託する県医師会はこのほど、過去5年の相談内容をまとめた。

事業が始まった2010年度は1日当たりの相談が16件だったが、その後21~23件で推移。相談者から5件を抽出して、翌日どのような対応を取ったか尋ねる調査は、14年度で「受診しなかった」と「翌日9時以降に受診した」を合わせて7割を超え、救急性が低いにもかかわらず救急受診する「コンビニ受診」の抑制に一定の効果を挙げている。
 「#8000」は毎日午後7時~11時受け付け。看護師が対応し、判断が難しい場合は医師が支援する。
 14年度の相談内容では、病気では発熱が最も多く3015件あった。続いて嘔吐(おうと)885件、咳(せき)739件、皮膚の問題687件だった。また事故では打撲が627件で最も多かった。
 ほかに薬についての相談も座薬396件、経口薬245件あった。このため、県医師会はことし3月から県薬剤師会と協力し、薬に関する相談に薬剤師が支援する体制を取っている。
 助言内容については、症状が悪化した時に受診するよう勧めることが最も多く全体33・5%、翌日かかりつけ医の受診を勧めることが25・4%だった。すぐに救急受診するよう助言することも7・7%あった。少数だが救急車を呼ぶよう伝えることも3件あった。救急外来をしている医療機関の照会は0・7%だった。
 相談者から5件を抽出して、その後の対応を尋ねる調査は1810件を対象に実施。連絡が取れたのは1165件で、「受診しなかった」が39・5%、「翌朝9時以降に受診した」が34・1%だった。「翌朝9時までに受診」は26・4%だった。
 県医師会の田名毅理事(首里城下町クリニック第一院長)は「救急外来の混乱を防ぐ予防策になっているのではないか」と話す。「つながりにくい」という声もあるというが、「回線や人を増やすのは難しい」と話し、何度かかけ直すことなどを求めている。