検証 基地をめぐる「誤解」:件数で比較できず

 県内で米軍人による事件・事故が発生した場合、県民による事件・事故に比べ、大きく報道されるのが一般的だ。こうした報道に対し「米軍人の犯罪発生率は県民より低い」などとして、報じ方を疑問視する意見がある。ただ、公務員かつ軍人であり、さらに日米地位協定で保護されている米兵の犯罪と一般県民の犯罪を同列視することに妥当性があるとは言い難い。県民でも公務員などの犯罪は取り扱いが大きくなる傾向がある。米軍犯罪は沖縄に米軍がいなければ発生しないということでもある。

 米軍人は日米地位協定で保護され、一般の県民が事件・事故を起こした場合と比較すると、身柄の取り扱いなどでさまざまな違いがある。例えば基地外で犯罪を起こしても勤務の最中である場合などは「公務中」として、日本側に裁判権がない。
 容疑者を米側が拘束した場合、日本側は任意捜査しかできず、身柄の引き渡しは起訴後とされている。殺人、強姦などの凶悪犯罪については米側の「好意的考慮」に基づき、起訴前に引き渡されることもあるが、その判断は米側の裁量次第だ。
 米軍関係者(米兵・軍属・家族)が「一般刑法犯(刑法犯から自動車運転過失致死傷罪などを除いたもの)」で摘発された場合、起訴率が一般県民、国民よりも低いことも指摘されている。日本平和委員会がまとめた2011年のデータでは、一般刑法犯に関する国民全体の起訴率は42%だが、米軍関係者は13%(沖縄での起訴率は22%)。
 日本側が裁判権を行使できず、軍事裁判に委ねられるなどして、日本の法律では裁かれていない状況も反映しているとみられる。
 県内の米軍関係者数が公開されていた11年で比較すると、米軍関係者数4万7300人中51人が摘発されており、割合は約0・11%。米軍人を除く一般の摘発者数は推計人口約140万人に対して3823人で約0・27%となり、割合は確かに県民が高い。 だが国民、県民による犯罪の場合でも、法の順守を率先する立場にある公務員、中でも犯罪捜査に当たる警察官や国防に当たる自衛官、立法の権限を持つ政治家などの犯罪は一般国民、県民より大きく取り上げられ、報道されるのが一般的だ。



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