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「隠れた名盤」藤井隆『COFFEE BAR COWBOY』

つのはず誠

藤井本人の曲で最高潮

 11年ぶりのフルアルバム。縦横を混乱させるジャケットが既に多重構造の音楽を予感させる。
 全10曲はダンスミュージックだが、1980年代後半の歌謡曲とUKポップスのミックス風で、まるで“12インチ・シングル”で聞くような錯覚を覚えるほどどこか懐かしい。

松田聖子やYOU、そして伴侶の乙葉などのゲスト参加も、決して“客寄せパンダ”に終わらず、それぞれの声質の良さや音楽的才能を再認識させる。
 最高潮は本人が詞曲を手がけ、西寺郷太や冨田謙が作曲・編曲を支えた『discOball』だろうか。ディスコの熱気と冷めた恋愛を対照的に捉えつつ、藤井のキレ芸からは想像できぬほど抑え気味の歌唱が効果的。彼もまた、良質なポップマエストロなのだ。
 昨年末に発表された椿鬼奴やレイザーラモンRGと組んだ全く売れていない同系統の『kappo!』もオススメ。本作を聞けば、普段コミカルに見える身近な人の隠れた才能に目を光らせたくなるはず。
 (よしもとアール・アンド・シー・2315円+税)=つのはず誠
(共同通信)
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つのはず誠のプロフィル
 つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、広告代理店勤務を経て、T2U音楽研究所を設立。音楽市場分析のほか、音楽配信サイトやオムニバスCDの選曲を手がける。

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