嘉手納基地の騒音激化 外来機配備後、11局で発生増


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 ことし1月14日から米空軍嘉手納基地に米ウィスコンシン州空軍所属のF16戦闘機12機が暫定配備された件で、配備中の94日間に嘉手納基地周辺で測定された1日当たりの平均騒音発生回数が、暫定配備前の94日間に比べ、県が集計した15測定局(速報値)のうち11局で増えていたことが分かった。

 州空軍のF16暫定配備は周辺自治体が「負担軽減に逆行する」として、外来機の飛来禁止を求める中で行われたが、実際に多くの地点で騒音被害の増大が確認された。
 県環境保全課によると、F16暫定配備期間中の1日当たりの平均騒音発生回数が最も増えたのはうるま市美原局で、配備前の1日平均41.2回から15.6回増の56.8回となった。ほかにもうるま市昆布局では同16.7回増、北谷町上勢局は14.0回増となった。
 また嘉手納飛行場の滑走路進入経路に近い北谷町砂辺局と同町宮城局で、1日の平均騒音値が暫定配備前よりもそれぞれ4.8デシベル、4.5デシベル増加した。
 米国の州兵軍は一義的に本国の防衛や災害対応を任務としているが、ことし1月に州空軍のF16が嘉手納基地に初めて暫定配備された。さらに6月17日からはバーモント州空軍のF16が同基地に10機暫定配備されており、周辺自治体は州兵軍戦闘機の暫定配備が恒常化することに懸念を強め、配備の撤回を求めている。