絆「さらに発展を」 新報移動編集局、沖縄・ハワイの未来語る 


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今後の交流などについて活発に議論するハワイ沖縄連合会と琉球新報社の移動編集局フォーラムinハワイ=11日(現地時間)、米ハワイ州ワイパフのハワイ沖縄センター

 【ハワイ=与那嶺松一郎】沖縄県とハワイ州の姉妹都市締結30年を記念して、ハワイ沖縄連合会(HUOA)と琉球新報社の共催による移動編集局フォーラム「絆 染みてぃいちまでぃん-ハワイ・沖縄の未来」が11日午後(現地時間)、ハワイ沖縄センターで開かれた。

沖縄からの訪問団とハワイ県人会の計約230人が18の円卓に分かれ、アイデンティティーや文化、教育をテーマに活発な議論を交わした。翁長雄志知事とデービッド・イゲ州知事も講演し、100年以上続く友好関係をさらに発展させることを確認した。
 講演で翁長知事は「ハワイではハワイ語を州の公用語の一つに規定するなど、ハワイ語の再活性化に成功したと聞いている。その方策を学び沖縄に持ち帰って、適用できるかを検討したい」と述べ、しまくとぅばの継承に向けて表記法などでハワイの事例を参考にしたい考えを示した。
 さらに翁長知事は「昨年の県系3世のイゲ知事の誕生は、沖縄県民にとっても誇りになった。同じ太平洋に浮かぶ島の、ルーツを同じくする知事として、これまで以上に連絡を取り合い、協力連携していきたい」と交流促進に意欲を示した。
 10月に沖縄で開く30年記念式典に向けて「祖父の育った沖縄の地を踏みしめて、ルーツに思いをめぐらせていただきたい」とイゲ知事に呼び掛けた。
 イゲ知事は「沖縄との産業分野の協力の中でも、再生可能エネルギーに関する共同プロジェクトは特に重要だ」と語り、「会話を楽しむ中から新しい共同事業や交友活動が生まれ、われわれの友好関係がより密接なものとなることを期待している」とフォーラムの開催に期待を示した。
 参加者全員が自由に意見を出し合うラウンドテーブル(円卓会議)では、進行を務めた比嘉マーク英幸HUOA会長と妻の華絵さんが「文化」「革新的教育」「福祉・遺産」の三つのテーマを会場に問い掛け、それぞれの円卓で次の世代に何をどのように受け継いでいくのかを討議した。