那覇市、救急出動最多1万7701件 「緊急性低い」6割


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那覇市の過去5年の出動件数・搬送人員

 那覇市消防局の救急出動件数が増加傾向にある。2013年は前年比で減少したものの、14年は同914件(5・4%)増の1万7701件となり、過去最多を記録。搬送人員は同724人(4・9%)増の1万5409件だった。

一方で必要な消防職員数を示す充足率は80%に満たない状況となっており、全体の6割を占め続ける緊急性の低い傷病者搬送の増加と相まって、深刻な人手不足状況を解消するための職員増も喫緊の課題となっている。

 消防局によると、14年の1日の平均出動件数は約48件で、約29分に1回の割合で出動したことになる。1隊当たりの平均出動件数は約2950件で、全国43中核市の中でも尼崎市の約3346件に次いで2番目に多い件数となった。

 救急出動件数増の主な要因については、65歳以上の傷病者や熱中症の増加、さらには、毎年のように全体の6割程度を占める緊急性が低い傷病者搬送の増加が考えられるという。ちなみに15年6月末(速報値)の出動件数は既に前年同期を約300件上回っている。

 消防局によると、市の消防職員の条例定数は346人だが、現職員数は270人で充足率は78・0%。また、国が定める消防車両の現有台数で算定する方法では、必要人員は372人で充足率は72・6%となり、いずれにしても職員数が不足している現状は明白だ。

 市議会6月定例会の一般質問で「中核市の中でも職員数が300人に満たないのは那覇市だけ」と答弁した徳元律夫局長は、職員数増について「346人に近づけるため、職員採用計画を立てて関係部局と調整していきたい」と述べた。