社会

戦争体験 次世代に 浦添市、証言を映像保存

市職員の仲村佳苗さん(左)の取材を受ける新城啓重さん(中央)=浦添市仲間、ディーグガマ

 【浦添】浦添市は戦後70年の節目に、疎開体験者の証言記録を映像で残す取り組みを行っている。6月22日には、当時浦添国民学校の3年生だった新城啓重(ひろしげ)さん(79)=中城村=が浦添城跡内にある「浦和の塔」近くのディーグガマを訪れる様子を、市国際交流課の仲村佳苗さん(31)がビデオを片手に取材した。

仲村さんは「体験者が元気なうちに証言の記録を残して、今後の平和学習に役立てていきたい」と話し、いずれはホームページでの公開も検討している。
 訪れたのは浦添市仲間のディーグガマと糸満市真壁の「萬華の塔」の2カ所。新城さんは子どもたちの平和学習の一環で自身の宮崎への疎開体験を語る機会はあったが、証言の映像撮影では疎開先の話だけでなく、新城さんの家族の話も含めての取材となった。
 防衛隊だった新城さんの父親は、浦添市内の伊祖城跡の近くで亡くなったとされる。遺骨は無く、戦後市内の遺骨を納骨した「浦和の塔」に10代後半から毎年手を合わせに訪れる。
 また一中(現在の首里高)に在籍していた兄2人は学徒隊として動員され、うち1人が糸満市真壁近くで命を落としたとされる。兄たち2人も遺骨は無く、「萬華の塔」と「一中健児の塔」の慰霊祭にも毎年参加している。
 新城さん自身は姉や弟と宮崎に疎開していた。「疎開から戻って来たら、誰も家族が迎えに来なかった。みんな戦死してしまった。なぜ自分の家族だけがこんな目に遭うのかと思った時期もあった」と語る。
 映像撮影はあと2人の疎開体験者も取材する予定で、1年かけて映像をまとめる。