【台風12号】大東、警戒強める 定期船入らず、食料品薄


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台風対策で、お店の出入り口をベニヤ板でふさぐ作業員=23日午後5時すぎ、南大東村在所

 【南大東で金良孝矢】強い台風12号の接近に伴って大東島地方の住民は23日、船をロープで固定し、窓にベニヤ板を打ち付けるなどの対策に追われた。

南大東村では時折、強い風が吹いているが午後9時現在、雨は降っていない。西海岸では風が強く吹き、荒波が岸壁に激しく打ち付ける様子が確認できた。大東島地方と那覇を結ぶ定期船「だいとう」が相次ぐ台風による影響で18日以降入港しておらず、乳製品やパンなどが品薄になっている。住民からは食料確保の不安や台風被害に懸念を示す声が上がった。
 南大東村は23日午後4時に防災対策会議を開き、村内7カ所の避難所設置を確認した。北と西、亀池港は午後4時までに封鎖した。最接近に伴い、24日朝から昼にかけ、村職員が避難者を迎える準備をする予定。
 南大東村在所で「大東そば」店を経営する座覇ふじ子さん(78)は「波が高く心配だ。大きくなければいいが」と不安そうに話す。食料が品薄になっていることに「那覇から飛行機で送ってもらわないと間に合わない」と話した。
 南大東村のスーパーで袋いっぱいに食料を買い込んだ仲原和菜さん(27)=郵便局員=は「カップラーメンなどを買った。那覇の親や友人に牛乳や野菜をチルドで送ってもらっているが、今月は船が入る回数が少なく困る」と話した。同村で土木関係の仕事に携わる知花悟さん(48)は「パンや牛乳もなく困る。(天候に左右され)仕事がない。台風は来ない方がいい」とうんざりした顔で話した。
 一方、北大東村は23日午後1時に防災対策会議を開き、暴風警報が出れば村保健福祉センターを避難所とすることを決めた。同村水産組合は駐船場に揚げられた船をロープで固定し台風に備えた。沖縄電力は23日に南大東村に7人、北大東村に4人の復旧対策などの要員を派遣した。両村にある小中学校は18日から夏休みに入っている。