児童ら命のリレー ノグチゲラを救う 国頭・安波小


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連携プレーで命を救われ、元気に回復して飛び立つノグチゲラの幼鳥=23日、国頭村立安波小学校

 【国頭】国頭村立安波小学校の窓ガラスにぶつかって弱り、保護された国の天然記念物ノグチゲラの幼鳥が動物病院で1カ月間の療養を経て体調が回復し、23日に同校近くで放鳥された。

同校では4月以降、アカショウビンやメジロなどの野鳥が窓に激突し死ぬ事故が4件相次いでいた。今回で5件目。児童らの発見が早く、連携プレーで初めて最悪の事態を免れた。放鳥を見守った児童らは「家族を連れて帰ってきてね」などと笑顔で手を振っていた。
 ノグチゲラは6月24日、同校2階の窓ガラスへ激突した後、口から血を流し校庭の木の上で弱って動けなくなっていた。気付いた児童が養護教諭に伝え、新垣剛志教頭がNPO法人どうぶつたちの病院(うるま市)へ連絡した。同病院は環境省職員立ち会いの下で保護し、「強制給餌」などで体調を回復させた。
 同病院の金城道男副理事長は「数時間でも発見が遅れたらカラスに襲われていたかもしれない」と子どもたちの処置の適切さをたたえた。姉妹で放鳥を見守った同校の賀数めぐさん(4年)、ゆめさん(3年)は「元気になって良かった」と喜んでいた。