社会

米軍施設内事故時の住民避難 基地所在の全21市町村、手引書なし

米軍の関連施設がある自治体と主な施設(クリックで拡大)

 米軍の基地や関連施設内で爆発や化学物質の流出事故が発生し、施設外に影響が出た場合の住民避難の対応について、琉球新報が関連施設が立地する県内21市町村に尋ねたところ、全ての自治体で住民の避難マニュアルを作成していないことが分かった。

米軍側が排他的管理権を持つため、「自治体に施設内の情報がなく、対応ができない」といった意見や、国に指針の作成を求める声が上がった。だが防衛省は指針の作成について「計画はない」としており、戦後70年を迎えても「備えの空白」が埋まらない実態が浮き彫りになった。
 調査は13~17日に実施し、各自治体の防災や基地対策の担当者らから回答を得た。
 マニュアルの必要性について聞いたところ、半数以上の12の自治体が「必要」「必要性を感じている」との認識を示し、2自治体で「必要性を検討したい」とした。その一方で、「マニュアルを作成する予定はない」とする自治体は8割以上の18に上り、このうち那覇市は「市の地域防災計画で対応する」と回答した。飛行場や弾薬庫地区を抱える嘉手納町が「作成を検討中」とし、浦添市とうるま市が「今後、作成を検討したい」と回答した。
 マニュアルがない理由については「そこまで対応できていない」とする回答がある一方、日米地位協定に基づく排他的管理権を持つ米軍側に対し、自治体が施設の詳細情報を得ること難しいことを理由に挙げる担当者もいた。北谷町の担当者は「米軍や沖縄防衛局に対して町として施設内の情報公開を求めてきたが、何を聞いても『機密事項』とされてしまう」とし、「何の説明もない状態では具体的な計画は立てにくい」と説明する。
 一方、国の指針を求める声も自治体にはある。ある担当者は「国で指針を示してもらえれば、村でも参考にできるかもしれない」とする。防衛省は「住民避難の計画や指針は作成していない。現時点では作成する計画はない」と説明。県も「作成する予定はない」としている。(中里顕)



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