大漁旗、73年ぶり故郷に 戦時中の沈没漁船から回収


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73年ぶりに返還された大漁旗と記念写真に納まる佐々木さよ子さん(右から2番目)。左は在札幌米総領事館のジョエレン・ゴーグ首席領事=27日午後、宮城県南三陸町

 太平洋戦争中にソロモン諸島付近で沈没した宮城県南三陸町の漁船「天洋丸」から回収された大漁旗が27日、73年ぶりに南三陸町で当時の船員の親族に返還された。天洋丸の機関士として38歳で戦死した三浦三之助さんの長女佐々木さよ子さん(78)=同町=は「旗が戻ってくるなんて信じられない。父の形見になり本当にありがたい」と語った。

 大漁旗は縦137センチ、横190センチ。緑や赤の背景に船名がはっきり記されている。天洋丸は1942年、戦時徴用船としてガダルカナル島の戦いに従軍中、沈没。戦後、ダイバーから大漁旗を受け取り保管していた米国の退役軍人が返還を模索していた。
(共同通信)