普天間や辺野古、各国から視察 基地問題でNGOや研究者


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米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議集会に参加した「スタディーツアー」のメンバーら=28日午後2時半ごろ、名護市辺野古

 平和や軍縮活動に取り組む海外の非政府組織(NGO)メンバーや研究者ら10人が来沖し、27日から沖縄の米軍基地問題を学ぶ「スタディーツアー」に臨んでいる。一行は米国、ネパール、韓国、英国から参加した。29日までの日程で嘉手納基地、普天間飛行場やその移設が計画される名護市辺野古などを視察した。

 27日は石原昌家沖国大名誉教授の解説で沖縄戦の激戦地となった南部の戦跡を巡り、普天間飛行場に隣接する宜野湾市の佐喜眞美術館を訪ねた。屋上から普天間飛行場も視察した。
 同館では沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の真喜志好一氏が、米軍が住民を追い出して集落を接収し、普天間飛行場を建設した経緯などを説明した。
 1947年にノーベル平和賞を受賞した米平和団体「アメリカンフレンズ奉仕委員会」元職員で、現在はハワイ大で政治地理学を研究するカイル・カジヒロさんは「歴史を知れば、沖縄で起きている基地問題は単純な不正義だと実感する」と話した。
 28日は新基地建設が予定される名護市の大浦湾を海上から視察し、キャンプ・シュワブのゲート前で開かれる抗議集会に参加した。
 「宇宙の軍事化と核化に反対するグローバルネットワーク」のデイブ・ウェブ議長=英国=は「沖縄の基地問題は世界的に知られている。世界中で軍事基地に反対している人たちと一緒に皆さんをたたえたい」と強調した。言語学者のノーム・チョムスキー氏を祖父に持つサンディ・アリッツァさん=米国=は「祖父も沖縄で闘っている人たちを支援したいと思っている。私も同じ気持ちだ」と語った。
 案内役の乗松聡子さん(『アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス』編集者)は「各分野で活躍し、沖縄で起きていることをより大きな視点で捉えられる人たちだ。帰国後はそれぞれの居場所で沖縄の問題に向き合ってもらえると期待している」と話した。
英文へ→NGO members and researchers from various countries visit Okinawa to learn about base issues