「字平良」誕生喜ぶ 大里から分離 生活圏や歴史重視


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「字平良」の誕生を喜ぶ宮城直樹さん(左)、宮城浩光区長(中央)ら。公民館入り口の住所表記も、1日から張り替えられる=7月30日、南城市大里の平良区公民館

 【南城】南城市大里で1日から、新たな字「字平良」が施行される。字大里を構成していた行政区である平良区が、一つの字として字大里から分離し、これまで「南城市大里字大里」と表記していた平良区内の住所が「南城市大里字平良」となる。

市内での新たな字の施行は、2013年4月の字つきしろに続き2例目。
 旧大里村地域で、正式な住所表記となる字はこれまで七つ。複数の行政区で構成される字が多く、18の行政区が7字を構成する。字大里は平良区、南風原区、西原区の3行政区で構成される。
 だが各行政区が公民館を持ち、伝統行事や文化も異なるなど、生活圏と字の区分けが合っていない実態があった。また、子どもたちが地域への愛着を持ちにくいこと、平良区にルーツを持つハワイや南米の移民3、4世らが平良区の名称を忘れ始めていたことも、境界変更に向けた取り組みのきっかけとなった。
 区では12年11月、境界変更に向けた実行委員会を設置。市との調整や住民説明会を重ね、区内の各世帯や企業、隣接する行政区から約9割の同意を得た。ことし3月の市議会定例会でも全会一致で可決された。
 番地は、字大里での番地がそのまま「字平良」の番地として使用される。市は各種手続きに必要な字名変更証明書を発行し、希望者に配布している。郵便番号は〒901―1208。
 区は22日、「字平良」誕生の祝賀会を開く。実行委員会事務局の宮城直樹さん(60)は「委員の熱意が実を結び、感無量だ。これで生活の実態に合った字ができた」と笑顔。宮城浩三区長(57)は「大変喜ばしい。平良区の知名度も上がるのでは」と期待した。