「洋楽＝３」ヴィンテージ・トラブル『華麗なるトラブル』

　２０１０年、Ｒ＆Ｂを歌っていたタイ・テイラーをむかえてロサンゼルスで結成された４人組。１９６０年代のＲ＆Ｂと７０年代のロックが融合したサウンドが特徴。
　マネージャーのドック・マギー（ボン・ジョビ、ＫＩＳＳを手がける）はアメリカでなくイギリスからのデビューを図った、と言うことですが。イギリスのロックのルーツにソウル・ミュージックがあったことを考えると正解だったと思います。

ストーンズ、フェイセズ、ハンブル・パイ、そして多くのブルー・アイド・ソウルのアーティストたちのルーツがＲ＆Ｂだったからです。
　さてタイのボーカルを聞いて思い浮かぶのはオーティス・レディングのそれ。シャウトするアップナンバーからスロー・バラードまで、まさに６０年代ソウル・ミュージクがここにあります。またナル・コルトのギターは７０年代のイギリスのロックを彷彿させます。すでにストーンズやＡＣ／ＤＣのサポートをしている彼ら、今後の活躍が気になります。
　（ユニバーサル・限定盤３０００円＋税、通常盤２３００円＋税）＝北澤孝
（共同通信）
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北澤孝のプロフィル
　きたざわ・たかし　１９４７年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、ＭＯＮＫＥＹ　ＭＡＪＩＫ、Ｓｕｐｅｒｆｌｙまで多岐にわたる。