「洋楽＝２」シャーロット・ケイト・フォックス『WABI SABI』

シンガー・ソングライターとしての新境地

　ＮＨＫ朝の連続テレビ小説『マッサン』のエリー役で一躍人気者となった彼女。好きな音楽はナット・キング・コール、ジョニ・ミッチェルそしてスティーヴ・ミラーといいますから音楽にも造詣が深いようです。

　サンタフェ芸術大学で演劇を学ぶ傍らギターを手に作曲活動も始め、恋愛、人生、失望そして感謝といった身の回りの出来事を次々に歌にしていたようですから立派なシンガー・ソングライターといえます。
　このアルバムはそんな彼女のアメリカ的シンガー・ソングライターの感性と日本滞在中に得た日本の“わび、さび”の心をミックスしたグローバルな作品。日本語の使い方やカバーの選曲なども興味深いところですが。聴き所は自身のペンによるオリジナル曲。様々な心模様をポップな曲で表現しています。また最後に古いスコットランド民謡の別れの歌を選んだのはドラマで彼女が歌ったことと、彼女の祖母とエリーが同じスコットランドの出身という理由からでしょうか。
　（ビタースウィートエンタテインメント・ＤＶＤ付き初回限定盤２９６３円＋税、通常盤２３１５円＋税）＝北澤孝
（共同通信）
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北澤孝のプロフィル
　きたざわ・たかし　１９４７年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、ＭＯＮＫＥＹ　ＭＡＪＩＫ、Ｓｕｐｅｒｆｌｙまで多岐にわたる。