米軍ヘリ、うるま沖に墜落 陸自2隊員も搭乗 7人けが、定員超過疑い


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 米陸軍の特殊作戦用のMH60ヘリコプターが12日午後1時46分、うるま市伊計島南東の海上で米海軍艦船への着艦に失敗し、墜落した。在日米軍は「訓練中にハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)した」と説明している。この事故で乗組員7人が負傷し、米軍の海軍病院に運ばれた。うち2人は米軍の訓練を見学する「研修」で搭乗していた陸上自衛隊の中央即応集団(神奈川)所属だった。

 米軍から救助要請を受けた第11管区海上保安本部の発表によると、事故機には乗員17人が搭乗していたが、同機の定員は16人で、事故当時、機体は定員オーバーだった可能性がある。
 事故機は12日夜の段階で米艦船の甲板上にある。
 事故機に自衛隊員が同乗していたことについて、専門家からは「今回の研修は、安保法案を象徴的に先取りしていると言える」などの指摘が上がっている。
 海上保安庁が事故機を確認した現場は伊計島灯台から南東約14キロ沖。機体が折れ前部と後部が切り離された状態だった。機体には「63」の番号が確認できた。12日午後1時20分ごろ、「63」の事故機が米軍嘉手納基地を離陸するのが確認されている。
 翁長雄志知事は事故を受け12日、菅義偉官房長官との会談の場で「基地のそばに住むのは大変なことがある」と懸念を伝えた。
 一方、菅長官も同日、記者団に「この事故は極めて遺憾であり、米側に迅速な情報提供と原因究明、再発防止を政府として強く申し入れた」と説明した。申し入れは武藤義哉防衛省審議官からワイズ在日米軍副司令官宛て。
 一方、県は事故を受け13日にも米軍に再発防止などを求め抗議する方向で調整を始めた。県議会米軍基地関係特別委員会の新垣清涼委員長も、早ければ14日にも委員会を開催し、対応を協議するとした。
 琉球新報社は12日午後8時40分すぎ、在日米軍に事故機の搭乗人数を質問したが、13日午前0時現在で回答はない。
 事故発生から約50分後の午後2時38分、米軍から11管に「ヘリの事故情報はないか」と照会があり、続いて2時59分には「墜落した。救助を要請する」と連絡があった。同4時12分に「乗員は17人、うち7人負傷、10人けがなし全員救助済み」と連絡があった。
英文へ→Two JSDF’s member injured after US military helicopter crashes off coast of Okinawa