通院費助成、就学前まで 県内10市町村が10月実施


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
こども医療費助成制度の実施状況(クリックで拡大)

 県と市町村が2分の1ずつ助成して、子どもの通院医療費の自己負担分を無料にする「こども医療費助成制度」について、対象年齢が3歳までとなっている県内10市町村で、10月から就学前までに拡大する見込みであることが分かった。

 県が通院費用の助成対象年齢を10月から就学前まで引き上げることに伴い、3歳までとしていた市町村も県の基準に合わせて拡大する。
 10月から対象年齢を就学前に引き上げるのを見据え、6月定例議会で浦添市、西原町、八重瀬町、那覇市が条例を改正した。
 豊見城市や渡嘉敷村、座間味村は9月議会で条例改正を提案する見込みで、そのほかのうるま市、久米島町は要項の変更で対応する予定。石垣市も9月議会に提案する方向で検討しており、10月に開始できるよう準備を進めている。
 子ども医療費の助成対象年齢は自治体によって異なる。県の助成は現在、通院は3歳、入院は中学卒業となっているが、子育て支援策の一環で市町村独自予算で対象を拡大している所もある。通院・入院共に高校卒業まで助成対象としているのは金武町、国頭村、東村、渡名喜村、多良間村の5町村だ。
 11日現在、通院は就学前まで対象としている市町村は12、中学卒業までは14で、入院の医療費については中学卒業までとしている市町村が35と最も多い。
 一方、県外ではこども医療費を診察時に窓口で一時的に立て替えることなく受診できる「現物給付」が主流となっているが、県内で「現物給付」を導入している自治体はゼロだ。
 国保の国庫補助が削減されることや、安易な受診の抑制などが「現物給付」が進まない理由となっている。
 県内では医療費の領収書を市町村の窓口に提出して約2カ月後に振り込まれる「償還払い」か、領収書の提出は必要ないが、後日一度支払った医療費が振り込まれる「自動償還」となっている。
 2013年11月に県が「自動償還」を導入して以降、ここ2、3年で「自動償還」に変更した市町村が多く、35市町村で対応している。
(知花亜美)