「新渡戸菊」で活性化 西原町、産業化目指し計画始動


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 【西原】昨年8月に琉球大学・西原町・西原町商工会が包括連携協定を結び、初の「新渡戸菊(にとべぎく)プロジェクト」が始動した。町役場で6日、町新渡戸菊プロジェクト第1回会議が開かれ、琉大、町、町商工会、町農業委員会の12人が参加し今後の事業計画を話し合った。

 「新渡戸菊」とは明治期に教育者・新渡戸稲造が台湾から持ち込んだとされる菊の一種で、中米や中国では薬草として知られ、打撲や消化器系に利用されている。
 新渡戸菊に着目したきっかけについて、琉大農学部の川満芳信教授は岩手県の「新渡戸稲造会」や「新渡戸基金」の内川永一朗代表から相談があり、岩手で栽培は難しいが沖縄では自生していることから、将来商品化や製薬化も視野に検討する話があったことを説明した。
 川満教授は「ヒマワリを小型にしたような花が、11月から5月ごろまで約半年間咲く。タイでは観光名所になっており、観賞用としても有力だ。ポリフェノールの含有量が、イシヨモギの約2倍と高い」と述べた。
 耕作放棄地対策でシマナ栽培に力を入れている町としても、第2の作物として新渡戸菊に着目している。
 プロジェクトの会長に農業委の平良正行会長が選任され、副会長は琉大農学部の上野正実教授と川満教授に決まった。

ヒマワリより一回り小さい花が咲く新渡戸菊
連携し産業化を目指すプロジェクトメンバーら=6日、西原町役場