大浦湾に動吻動物の新種 琉大・山崎研究員が命名


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 琉球大学理学部の山崎博史・博士研究員(30)が、体長が1ミリ以下で海底の砂や泥に紛れて暮らす「動吻(ふん)動物」で「タツトゲカワ属」の新種2種を発見した。

1種は現在、米軍普天間飛行場代替基地の建設予定地として臨時制限区域内となっている大浦湾内から発見し「リュウキュウタツトゲカワ」と命名。もう1種は慶良間諸島と沖縄本島の間にある前島沖で2010年5月に発見し「トヨシオタツトゲカワ」と命名した。6月30日に国際学術雑誌「Zootaxa」に掲載された。
 1986年に米国と日本の研究者が県内でタツトゲカワの存在を確認していたが、標本状態が悪く、新種認定に必要な手続きがされていなかった。今回正式に認定された。リュウキュウ―は13年7月に八重山諸島の外離島で、14年1月に大浦湾で発見された。山崎さんは「沖縄にはまだ多くの未知の生き物がいる。小さな生き物にも目を向けることで真の生物多様性を理解できる」と語った。

新種認定された動吻動物のリュウキュウタツトゲカワ(左)、トヨシオタツトゲカワ(右)=光学顕微鏡で撮影、山崎さん提供
山崎博史さん