墜落ヘリ、韓国搬送 防衛局、定員超過を否定


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 米軍ヘリうるま沖墜落事故で、米軍は14日、事故機MH60ヘリを載せた事前集積艦「レッド・クラウド」を韓国釜山へ寄港させた。事故機はうるま市伊計島の南東約14キロで同集積艦への着艦に失敗し、そのまま甲板上に載せて北上していた。機体回収や事故処理は韓国で行われるとみられる。

 米国務省のトナー副報道官は12日の記者会見で、事故は「公海上で起きた」と述べていたが、同省高官は13日、記者団に「沖合約14キロであれば、公海とは見なされない」と発言を事実上訂正した。一方、日本の捜査関係者は「米艦船に落ちたということは、米軍基地内に落ちたということと一緒だ」と述べ、事故処理は米側独自の手続きで進められるとの認識を示した。
 事故を起こしたMH60ヘリは米ワシントン州ルイス・マコード統合基地の所属で、特殊作戦部隊と行動する。同機種の2機と共に7月20~25日の間、厚木基地(神奈川県)を拠点に演習していたことが確認されており、28日に厚木から嘉手納基地に到着していた。
 沖縄防衛局の小柳真樹次長は14日、H60ヘリの定員が16人で、事故機が17人を乗せていたことから定員超過だったとの報道を確認した糸数慶子参院議員らに対し「通常は18人。ただ搭載量、燃料の量などによって変わると聞いている」とし、定員超過に当たらないの認識を示した。防衛局は定員を「外務省を通じ在日米軍から確認した」とした。
 在日米軍の動きを監視する市民団体「リムピース」の頼和太郎氏は「任務、燃料の搭載量や銃器の設置状況などで搭乗できる人数は変わる。今回の事例は陸軍が詳細を公開しておらず、状況は分からない」と説明した。