伊平屋に第一航空 県、21年度開港へ作業加速


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伊平屋空港滑走路のイメージ図

 2021年度の開港を目指し、県土木建築部は伊平屋空港の事業化に向けた作業を進めている。粟国―那覇路線で旅客機を運航させている第一航空(大阪府八尾市)と就航に向けた同意書を交わし、19人乗りのDHC6―400(愛称ツインオッター)で1日3~4往復の運航を目指す。

同空港で使用される機材が当初予定より小型化されたため、県は滑走路の長さを1180メートルから800メートルまで短縮し、14年度に基本設計を終えた。国土交通省航空局に関連予算を要求していて、16年度の事業着手、21年度からの開港を目指す。
 総事業費は30億円台を見込む。県土木建築部空港課によると、県は当初、伊平屋島と橋でつながっている野甫島の一部を埋め立てて1180メートルの滑走路を備えた空港を整備する計画を立てていた。埋め立て海域の一部に県選定の重要なサンゴ礁海域があったことから、同計画に対する環境影響評価書への知事意見で「工事で消失を避けられず、地域の観光産業に大きな損失を生じさせる」などとして滑走路短縮や位置変更などによる埋め立て回避を求められていた。
 埋め立てを回避するため、県土木建築部は一度、滑走路を千メートルに短縮した。その後、県と就航予定航空会社として同意書を交わした第一航空の使用機材が800メートルの滑走路でも離着陸が可能なことが分かり、800メートルまで短縮し、基本設計を終えた。国からの補助が認められれば、16年度にも実施設計に取り組むなど事業に着手する。