心一つに「ヌーバレー」 南城市知名、5時間かけ演目30超


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花と蝶に扮(ふん)した踊り手が飛び跳ねて踊る「胡蝶の舞」=8月29日、南城市知念知名

 【南城】旧暦7月16日に当たる8月29日、南城市知念知名(大城盛進区長)で五穀豊穣を祈り無縁仏をあの世に帰す行事「ヌーバレー」が盛大に行われた。夜空の下、区民らは「胡蝶の舞」などの伝統舞踊や芝居、エイサー、日舞など30以上の多彩な演目を約5時間にわたり披露し、観客を魅了した。

 「胡蝶の舞」は花と蝶に扮(ふん)した踊り手が大きく羽を羽ばたかせる振り付けが特徴的な踊り。他にも花笠(はながさ)をかぶり四つ竹を鳴らしながら踊る「仲里節」、紋付き袴(はかま)姿で踊る「松竹梅」、大勢の農民を率いる按司を描いた「百姓(ひゃくしょう)ヌ按司(あじ)」など、知名独特の伝統舞踊が多数披露された。
 喜歌劇「首里登い小」では、区民らによるアドリブが効いた役者顔負けのこっけいな演技に、会場は笑いの渦に包まれた。同区出身の人間国宝・照喜名朝一さんも「仲風節」を伸びやかな声で歌い上げ、舞台に花を添えた。
 山内昌金さん(79)は「ヌーバレーは知名区民の心が一つになる行事。伝統が正しく継承されている」と目を細めた。