福建特区、県産品販売へ 沖縄と中国の会社連携


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福建省での販売向けに改良した泡盛「首里天」を手にする黄為民CEO(中央)と瑞穂酒造の又吉宗孝主任(右)ら=4日、那覇市内

 中国福建省の自由貿易区を活用して沖縄の県産品を販売しようという動きが始まっている。貿易業のダイレクトチャイナ(浦添市、方徳輝社長)が、現地の輸入会社・味民国際控股集団有限公司(黄為民CEO)と連携し、泡盛や化粧品などの県産品をひとまとめにして8月末にコンテナで出荷した。

このほど来沖した黄CEOは「福建は沖縄への歴史的な親しみがある。沖縄の食品や製品に健康や長寿といったイメージを抱いており、将来可能性がある」と話した。
 今回の福建省向け輸出に合わせて、瑞穂酒造(那覇市、玉那覇美佐子社長)では泡盛「首里天(すいてん)」を中国仕様に改良して6千本を製造した。輸送の便を考慮し、容量を従来の四合瓶サイズ(720ミリリットル)から500ミリリットルに変更。中国人に好まれる末広がりの「8」を強調し、アルコール度数を28度に設定した。
 瑞穂酒造の又吉宗孝主任は「中国市場に合わせてパッケージも金や赤の色を使うなど工夫した。海外向けでこれだけの注文はなかなかない」と語った。
 黄氏は「福建省を中心に1億人のマーケットが動いている。沖縄にも特区を活用してもらうことで相乗効果が生まれる」と話す。
 4月に発足した福建省の自由貿易区内では、関税免除の保税販売や貿易手続きの簡素化が図られるほか、「越境eコマース(電子商取引)」の展開など、輸入商品をより安く中国国内で販売することが見込まれているという。