戦禍越えた7人の長寿祝う 南城市玉城、親族ら60人


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親族総出で長寿の祝いを受けた(前列左2人目から)当山千代子さん、新一さん、仲村シゲさん、當山ハルさん、松信さん、宮城繁夫さん、八重子さん=20日、南城市のユインチホテル南城

 【南城】きょうだい皆、いつまでも元気で-。カジマヤーやトーカチを迎える南城市玉城字糸数出身のきょうだい4人、その夫や妻3人の計7人をまとめて長寿を祝う祝賀会が20日、同市のユインチホテル南城で開かれた。県内外から子どもや孫、ひ孫ら4代にわたって約60人の親族が勢ぞろいし、盛大に祝った。

 祝いを受けた次女の當山ハルさん(96)と夫の松信さん(94)、三女の仲村シゲさん(90)、長男の当山新一さん(87)、妻の千代子さん(83)、四女の宮城八重子さん(83)、夫の繁夫さん(84)の7人。ハルさんらは5人きょうだいで、長女の野村ツルさんは昨年、98歳で亡くなっている。
 新一さんの娘の仲松徳子さん(71)=中城村=らが祝賀会を企画。「これまでも祝おうとしたけど、『田舎の人だから』と皆遠慮しちゃって」と笑う仲松さん。14年や16年が生年祝いに当たる人もまとめて祝おうと、半年前から親族に呼び掛けて実現させた。
 沖縄戦の戦禍が激しかった糸数だが、5人とも無事生き延びた。当時、ハルさんと結婚し幼い長男がいた松信さんも糸数区内の壕に身を潜めた。「米軍の攻撃が激しく、家族で逃げ込んだ壕からどこにも逃げられなかった」と当時を振り返り、「長生きして良かった。(祝いを)やれて良かった」と感無量の様子だった。締めはハルさん、シゲさんも壇上に上がりカチャーシーを陽気に踊った。
 新一さんの孫で仲松さんの娘の安慶名美香さん(46)は「家族のルーツが分かるいい機会になった。皆長生きしてくれて良かった」と笑った。(内間安希)