地域資源で未来創造 島の可能性を模索


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第8回ツールド・宮古島で、ことし開通した伊良部大橋を走るサイクリングの部の参加者=6月13日、宮古島市

 琉球新報移動編集局「宮古島ウイーク」(主催・宮古島市、琉球新報社、特別協賛・沖縄銀行)が27日から10月2日まで開催される。宮古島市の市制施行10周年記念事業の一環だ。30日にはメーン事業となる「地域づくりフォーラム」があり、「地域資源を活用した宮古島の可能性」をテーマに下地敏彦宮古島市長ら5人のパネリストが、宮古島市の今後の展望などを議論する。

 期間中は「報道写真展・豊島貞夫写真展」をはじめ、琉球新報の4こま漫画「がじゅまるファミリー」を連載しているウチナー漫画家・ももココロさんによる「漫画教室」、本紙記者が講師を務める出前講座「おでかけりゅうPON!」を開き、多彩な催しで節目の年を迎えた宮古島市を盛り上げる。
 宮古島市は2005年10月、「平成の大合併」により、平良市、城辺町、下地町、伊良部町、上野村の1市3町1村が併合して誕生した。面積は204・18平方キロ、人口は5万4706人(2014年12月末現在)。
 サトウキビやマンゴーの生産量が県全体の4割を占めるなど、農業が盛んな島として知られる。
 民間の旅行口コミサイトが行った15年の「ベストビーチ」調査でも与那覇前浜ビーチが国内1位に輝いたほか、新城海岸や砂山ビーチも国内トップ10入りするなど高い評価を受けている。国指定の名勝でもある東平安名崎や下地島の通り池など、多彩な観光資源を持つ島でもある。
 近年は伊良部大橋の開通などにより観光客はますます増加傾向にある。
 県内市部では唯一人口減少が見られることや、ことし3月にスカイマークが宮古から撤退するなど課題もある。
 一方、全日本トライアスロン宮古島大会は31回を数える。14年の30回大会からは「総理大臣杯」が創設されるなど、スポーツアイランドとしての地位が高まっている。
 また、エコアイランドづくりでもE3燃料の普及や、「全島エネルギーマネジメントシステム(EMS)」、「来間島再生可能エネルギー100%自活」の実証事業が行われ、着実に成果を上げている。天然ガスの試掘でも水溶性天然ガスや温泉水が確認され、利活用に期待がかかる。
 宮古島で実験が行われているスマートコミュニティーは、環境や規模が似た世界の島しょ地域に展開できる可能性を持ち“宮古島発”のシステムに注目が集まりそうだ。

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