防衛局、聴聞出席せず 知事、辺野古承認早期取り消しも


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 米軍普天間飛行場の移設問題で、名護市辺野古の埋め立て承認の取り消しに向け、県が沖縄防衛局の言い分を聞く「聴聞」手続きを行うと通知したことを受け、沖縄防衛局は29日夕、回答文書に当たる「陳述書」を県に送付した。

同局は陳述書の中で、県が指定した10月7日の聴聞には出席しない意向を示したほか、陳述書提出をもって聴聞手続きを「終結してもらって構わない」などと言及している。県は30日、県弁護団と、防衛局の陳述書を精査した上で聴聞の手続きを終えるか検討する。聴聞手続きを終える場合、翁長雄志知事は早期に埋め立て承認を取り消す可能性がある。
 防衛局によると、陳述書は辺野古の埋め立て承認について、公有水面埋立法や環境影響評価法に沿い、県の意見を聴取し、それを反映して手続きを進めたと説明している。その上で「手続きに瑕疵(かし)はなく、承認の取り消しは違法だ」と主張した。県が7日に県庁で行うとした口頭の聴聞には「出頭しない」とし、同文書をもって聴聞に対する回答とするとの見解を示した。
 県が文書送付を把握した29日夕時点で、翁長知事ら県三役は退庁しており、30日に県弁護団の意見を聞きながら、聴聞手続きを終えるか検討する。
 辺野古埋め立て承認取り消しに向け、県は県規則などに基づく「意見聴取」を行うと沖縄防衛局に通告していた。防衛局が「行政手続法に基づく聴聞を行うべきだ」と主張していたことから、28日、防衛局に対して「10月7日に聴聞を行う」と通告していた。