リュー・下地、県勢20年ぶり快挙 和歌山国体


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少年女子決勝 力強くラリーを応酬するリュー理沙マリー(奥)と下地奈奈=30日、和歌山市立つつじが丘テニスコート(又吉康秀撮影)

 【和歌山総体取材班】第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」第5日が30日、和歌山県内各地で行われ、テニス少年女子でリュー理沙マリー・下地奈奈(沖尚高)が井上青香・摩衣子姉妹(当時浦添高)の優勝以来、20年ぶりに頂点に立った。

レスリンググレコローマンスタイル76キロ級の成年男子屋比久翔平(浦添工高―日体大)が優勝した。同少年男子120キロ超級の仲里優力(北部農林高)は3位に入った。ボウリング成年男子個人の宇良晃(スポーツワールドサザンヒル)が3位入賞した。少年男子ケイリンの伊藤颯馬(北中城高)、少年男子ポイントレースの重満丈(同)が決勝進出を決めた。

◆リュー・下地 難敵攻略
 肌寒い風の中で始まった決勝戦、シングルス初戦をリュー理沙マリーが8―2で取り、2戦の下地奈奈が2―8で落として「想定内」(平良和己監督)のダブルスにもつれ込む。千葉の岩井と千村は全日本ジュニア選手権1、2位のサウスポーコンビ。緊張、動揺、何が起こるか分からない。1打でしのぎを削り合って頂を踏んだのが、リューと下地の真骨頂だ。
 前の晩に寝る前は「試合のことしか考えられなかった」(リュー)。バックハンドのストレートでライン際を攻略、ほれぼれするボレーを決め、客席が思わず「うまい」とざわめくプレーを連発する。全国高校総体で西里夏子と組んだダブルスで優勝、シングルス準優勝の実績をこの日のプレーであらためて証明した。
 シングルスで不調に終わった下地はダブルスで呼吸を始めた。ストロークの乱れから前衛に上がり、冷静にボレーを打ち重ねた。後ろを安心してリューに預け「自分はたくさん当てないといけない。前に行くだけ」。最後の強烈な1本を相手の空白にたたき込んだ。
 昨年の国体準優勝は幸運、しかしこの優勝は実力によると平良監督はいう。高校公式戦はこの日が最後だが、引き続き競技を続ける。「努力して出直したい」(リュー)「メンタルを強化する」(下地)。沖縄のテニス界に新たな歴史が重ねられた。(石井恭子)