【ニューヨーク】琉球舞踊に観客総立ち 提携公演


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「加那ヨー天川」を踊る比嘉いずみさん(左)と新垣悟さん=9月18日、ニューヨークのジャパン・ソサエティー(courtesy of Japan Society, New York c Julie Lemberger

 ジャパン・ソサエティーと横浜能楽堂の提携公演「琉球舞踊 受け継がれる伝統」が9月18、19の両日、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催された。沖縄県立芸大琉球芸能専攻のOB・OGが出演し、米国で琉球芸能への理解を深めた。公演はジャパン・ソサエティーの「沖縄バイブス」シリーズの初回で、11月8日まで高嶺剛監督の映画上映や空手、紅型の講習などが続く。
 ジャパン・ソサエティーは創立100年を超える日米交流の非営利団体。文化、政治経済、日本語教育など幅広い視点から友好を促進している。「琉球舞踊―」は県文化振興会の沖縄文化活性化・創造発信支援事業の支援と県立芸大の協力、舞台制作会社シアター・クリエイトの共催で開かれた。
 まず県立芸大などで研究するジェームス・ライズ・エドワードさんが琉球芸能の歴史などを解説し「琉球舞踊は最小の動きで最大の表現をする」と評した。
 舞台は米国人観客を意識して前半に雑踊、後半に古典舞踊を披露した。新垣悟さんの「鳩間節」で始まり、知花小百合さん、饒波園代さん、山城亜矢乃さんの「貫花」、佐辺良和さんと川満香多さんの「仲里節」などが続いた。後半は新垣さんの「高平良万歳」などがあり、比嘉いずみさんの「本嘉手久」で幕が下りた。
 会場を埋め尽くした観客はスタンディング・オベーションで敬意を表し、舞台と客席にあふれるカチャーシーでさらに盛り上がった。観客のアイカ・ハリスさん(11)は「今習っている(三線の)曲もあり勉強になった」と目を輝かせた。箏奏者の池間北斗さんは「緊張したが曲が終わるごとに観客の反応を感じた」と安堵(あんど)していた。新垣さんと比嘉さんは「観客の熱気が伝わり最高の踊りができた」と満面の笑みを浮かべた。
 2日目の19日は公演前に踊りと三線のワークショップが行われた。受講したグレイシー・ミラーベルさんは「琉球芸能は世界でもユニークだ。今回の公演を見て、実際に踊りや三線の指導を受けて勉強になった。沖縄で勉強したい」と夢を膨らませていた。
(比嘉良治通信員)