ヤマネコ「共通点ある」 対馬高生4人、西表で学ぶ


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イリオモテヤマネコの生態や保護の課題などについて学ぶ対馬高校の生徒ら=10日、竹富町西表島の環境省西表野生生物保護センター

 【西表島=竹富】野生のヤマネコと共存できる環境づくりを学ぼうと、ツシマヤマネコが生息する長崎県対馬市から対馬高校の生徒4人が10日、イリオモテヤマネコが生息する竹富町西表島を訪れ、ヤマネコ保護に取り組む環境省西表野生生物保護センターを見学した。観察会では島の自然を体験した。

 国内に野生のヤマネコは2種だけで絶滅危惧種に指定されている。イリオモテヤマネコ発見から50年の記念事業の一環で、両市町は8日、連携してヤマネコの保護を目指す共同宣言を発表。今回の研修も両市町の交流を深める取り組みだ。

 センターの保護官は、は虫類や昆虫、コウモリまでさまざまなものを食べるイリオモテヤマネコの生態や、交通事故が増加傾向で、課題となっている現状などを説明した。最近の調査で、低地部だけと思われていた生息域が山間部にも及んでいると分かったため、100匹前後と推定されていた生息数はもう少し多い可能性があると紹介した。2泊3日の日程で自然観察会のほか、マングローブやサンゴ礁などを見学する。

 1年の井田るりさん(16)は「ヤマネコの生態や自然環境、保護の課題などいくつか共通点があることが分かった。両市町が協力できることがあると思う。研修で多くのことを学び、持ち帰りたい」と話した。