辺野喜川でルアー 反応いいオオクチユゴイ


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 8月に入り、海では高い気温と強い紫外線により、体力的にとてもハードな釣りを余儀なくされる。そこで今回は涼を求めて北部の河川へと足を延ばした。
 皆さんはオオクチユゴイという魚をご存じだろうか。やんばるのきれいな河川を主な生息域としている淡水魚で、小魚や昆虫などを捕食するどう猛なフィッシュイーター(魚食魚)である。発達したヒレと分厚い体高、そしてベイト(餌)を捕食するのに適した大きな口が特徴で、ルアーへの反応も非常にいい魅力的なゲームフィッシュ(ルアーフィシングの対象魚)だ。
 3日、辺野喜川中流に立ち込んで、水深の変化や水中に障害物のあるポイントにルアーを打ち込んでいった。小魚や昆虫が水面で暴れるような動きをイメージしながらアクションをつけた。オオクチユゴイはとても神経質な面も持ち合わせている。水面に映る釣り人の影やミスキャストによるルアーの引き波が大きなプレッシャーとなりストレスとなるのである。そうなるとルアーへの反応が極端に鈍くなるので、アプローチには細心の注意が必要になる。
 繰り返すキャストに、突然オオクチユゴイが水しぶきを上げて水面のルアーに襲いかかってきた。目の前に繰り広げられるどう猛なバイト(魚がルアーに食いつくこと)。派手な捕食シーン。フックアップ(針掛かり)後には淡水域の魚とは思えぬパワフルな引きを見せつけ、水面で激しく抵抗しながらロッドを締め込んでいった。流水上の攻防は快活で楽しく、時を忘れる。手にしたオオクチユゴイは40センチほどだが、敬意を表したくなるような精悍(せいかん)な顔をしていた。
 まだ和らぐ気配を見せぬ夏の暑さ。体力を必要とする炎天下の海釣りは一休みして、清流に立ち込んで涼しい釣りを体験してみてはいかがだろうか。トップウオーターゲーム(水面で行うルアーフィッシング)は視覚的にも楽しく、興奮させられることだろう。

【各地の釣果】
 ◎石川漁港カーエー連発
 記録的な豪雨が明けた13日、釣りクラブシーズデイの大宜味宗史さんは、日中でもカーエーが浮くことがあるという石川漁港で、30~40センチのカーエーを連釣。近くの釣り人にも大型がヒットするなど、この1カ月、同漁港は好調。潮に関係なく日没前がヒットのピンポイントタイムだという。
 ◎大人顔負け、漁を手伝う孫
 金城小学校6年生の津口大貴君は、休みの日になるとおじいちゃんの漁を手伝いに海に出る。パヤオへ行けば電動ジギングとフカセ竿(ざお)の2本出しで、マグロ100キロを釣って水揚げに貢献。深場へ行けば大人顔負け、ご覧のアカマチを涼しい顔でキャッチする。
 幼稚園のころから通いだした大海原では、もはやかわいらしい孫の手の域を超えしっかりとした戦力になっている。彼のおじいちゃんは、深場釣りで実績の高い北谷漁港の大邦丸の喜友名船長といえば納得か。
 ◎深場釣りは今後も期待大
 大同火災損害調査の金城勝彦さんは、休日になると趣味の深場釣りに出掛ける。7月28日は那覇北マリーナから名人、内根原船長の駆るKYOEI3に乗船。ケラマ堆(ナークゾネ)、水深330メートルの深海から6・3キロのメダイを釣り上げた。当日はアカマチも1人当たり3匹交じるなど好釣果。
 深場は日ムラもほとんどなく期待できそう。
 協力 釣り雑誌「釣王国」、宮平つり具098(936)5124、KYOEI3090(3792)7739。
 ご意見、ご要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
 (新報アングラーズペンクラブ・大城耕)

【写真説明】上から
(1)辺野喜川の冷たい流れに立ち込んで釣りを楽しむ筆者
(2)淡水域の魚とは思えぬパワフルな引きを見せたオオクチユゴイ
(3)石川漁港でカーエーを手にする大宜味宗史さん
(4)おじいちゃんの漁を手伝う小学6年生の津口大貴君
(5)深海から釣り上げたメダイと金城勝彦さん
(6)松田芳久さんはシガヤーダコを餌にハリス10号のブッ込み釣りで68センチ、4・5キロのタマン=12日、読谷海岸
(7)小学6年生の盛根祐太君は南大東島遠征で数釣りを楽しんだ