日中、安全にイカ釣り 確率高い「しゃくりエギング」


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 全国的に人気の高いアオリイカ釣り。沖縄でも数年前からファンが急増している。その理由の1つに「しゃくりエギング」と呼ばれる釣法によって、誰でも比較的簡単にアオリイカを釣ることができるようになったことが挙げられる。海面や中層を引くだけのこれまでの釣り方に比べ、エギを底まで落とし込んでから竿(さお)を大きくしゃくるので、海底から上層まで広いタナが探れヒットの確率も高い。
 この釣法の生みの親の1人であるユニチカフィールドテスターの杉原正浩氏は、日中2段しゃくりの先駆者でエギングの神様と呼ばれ、雑誌やテレビ、ビデオ等で活躍し全国に多くのファンを持つ。
 5日、この夏に生まれたミーイチャー(新イカ)を杉原さんと追い、安和海岸を起点に本部新港、本部栽培漁業センター裏、古宇利漁港、塩屋の埋め立て地を釣り歩いた。イカの姿を探してはエギを投げ、姿が見えない時は砂地に点在する根周りを丹念に探り、巧みに竿をしゃくって隠れたイカを誘い出し、次々とエギに抱かせた。当日は比較的水深の浅いポイントでの反応が良く、本部新港以外のすべてのポイントで釣果があり、同行者を含めアオリイカ8杯とクブシミ1杯を釣り上げた。
 日中にイカを探してポイントを釣り歩くのは、これまで夜の釣りとされてきたイカ釣りのスタイルを一新し、安全で、イカがエギを抱く瞬間が見られるのでスリリングだ。9月いっぱいは警戒心の少ない400―800グラムのミーイチャーが数釣れるので、エギングを始めようと思っている人にはお勧めの季節である。
 基本タックルは次の通り。竿はエギングロッドの7・8―8・4フィートでルアーロッドでもOK。リールは小型スピニングを使用し道糸はPEの0・6―1・0号を100メートル巻く。その先につなぐリーダーは2号のフロロカーボン3メートル。エギは3・5寸前後。

【各地の釣果】
◎アーラミーバイ
 1日、伊江島北磯でたびたび目撃されるアーラ情報に、親川辰夫さんはとうとう仕事が手につかなくなり、磯の最強タックルを軽トラに積んでフェリーに乗り込んだ。4点張りの「がまくえインパルス100号」で1キロのクチナジを餌に完全フカセの泳がせ釣り。月が出る直前の20時30分、36・7キロのアーラを高ダナで食わせてあっという間に釣り上げた。
◎流しも“快釣”
 座間味沖はグルクンも流しも快釣モード。評判の雑誌「沖縄スタイル」をプロデュースする猪田昌明さんは8日、釣り仲間5人で与根漁港から望丸で久場島沖にグルクンと流し釣りのハイブリッド釣行。丸々と太ったグルクンは入れ掛かり、それを餌に泳がせると夫婦アカジン。流しでは4キロに迫るシルイユーとお祭りフィッシングを楽しんだ。
◎ケラマの磯も好活性
 5日、シーランド北谷店の仲宗根店長とスタッフの奥間さんはケラマ紺瀬の3番磯に渡礁。べた凪(なぎ)の海面にはオヤビチャーが群がり、本命に餌を食わせるのに一苦労。帰り間際、奥間さんにスマがヒットし、仲宗根さんはシジャーの切り身を餌に13キロのガーラをキャッチした。

【取材協力】
 望丸090(3013)7977。

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 (新報アングラーズペンクラブ・仲栄真修)

【写真説明 上から】
(1)5日、アオリイカのテスト釣行。本部栽培漁業センター裏で釣った800グラムのイカと杉原正浩さん
(2)伊江島北磯で仕留めた36・7キロのアーラを持つ親川辰夫さん(左)と松堂正人さん
(3)8日の糸満沖、金城勝美さん。123センチ、24・5キロのロウニンアジ
(4)座間味沖でグルクンと流し釣りを楽しんだ(後列右から)伊良波さん、宮城さん。(前列右から)猪田さん、山之端さん
(5)8日早朝の浜比嘉島。釣りクラブ・フィッシング+1の宮城文彦さんは67.5センチ、4.1キロのタマンをキャッチ。餌はシロイカ
(6)5日、ケラマ紺瀬の3番磯でシジャーの切り身を餌に13キロのガーラを釣り上げた仲宗根朝春さん