タマンの宝庫伊是名 竿テスト釣行は大成功


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 ここ数年各メーカーから沖縄専用のタックルが発売されるようになった。中でもタマン竿(ざお)の開発ラッシュは目覚ましい。2年前、がまかつからタマン竿が発売されたのを皮切りに、昨年はシマノ、来年春の発売予定でダイワもタマン専用竿の開発を進めている。その開発スタッフが22日から24日の3日間、県内の釣具店スタッフ4人を交え伊是名島へ渡った。
 初日は日没前から夕食までの時間に、タマンが安定して釣れているという内花漁港近くにある「やぎ小屋裏」の海岸で全員そろって竿を出した。日の入りとともに大物のアタリが2発あったが、根ズレによってバレ、50―55センチ弱のタマン2匹に終わった。
 夕食後は2人が伊是名漁港にポイントを変更し、残りは「やぎ小屋裏」のポイントで大型タマンを狙うことにした。「やぎ小屋裏」ではポツポツとタマンが食ってくるのに対し、伊是名漁港の2人の竿には全くアタリがなかった。
 夜が明け始めた午前6時、「こんな時は大物が食ってくる」と予告した米須剛さんの竿に突然大きなアタリが訪れた。強めにドラグを設定したリールから道糸がどんどん引き出され、スプールの芯(しん)が見えてきた。そこで剛さんは勝負に出た。フルロックだ。すると魚がやっと止まりポンピングを開始した。じわじわ魚が寄って来た。竿を持つ手もパンパンになる必死の攻防で、アタリから10分が経過してロウニンアジが姿を見せた。
 「デカイ!」ギャフがなかったので、タオルを尾ビレに巻いて2人がかりで石積みに引き上げた。後に検量し120センチ、26キロだと分かった。タマン竿で釣るには想定外の大型魚で、同行した開発スタッフも沖縄の海のすごさに目を丸くした。翌日も45―63センチのタマンを5匹追加しテスト釣行を終えた。結果は、タマン9匹にロウニンアジが釣れるなど大成功であった。

【各地の釣果】
 ◎タチウオ専門
 釣りには好みのターゲットというものがあるが、屋部土建の宮城和人さんはタチウオ釣りしか行わない。傍若無人に港内を暴れ回る凶暴なタチの行動パターンを利用して攻めるその激しさは見る者のストレスまで吹き飛ばす豪快なもの。23日は宜野座漁港、恩納漁港、比謝川河口を回り90センチ―1メートルを釣り上げたがその反応からシーズンインは2週間後との判断。
 ◎ジグでスマガツオ
 玉城善太郎さんは仕事帰りに連日ショアジギング(海岸からのルアー釣り)を楽しんでいる。20日は真栄田岬からジグ100グラムを遠投して表層を引き、63センチ、3・7キロのスマガツオをキャッチした。この日は東風。東風だと磯際に餌となる小魚が集まるのでカツオが寄ってくるのだという。どういう訳だかシイラは北寄りの風で釣れることが多い。
 ◎大型マクブ
 マイボートを駆ってルカン礁周りに繰り出す照屋健さんは、もっぱらライトジギングを楽しむ。23日の午前10時、水深70センチに落とした60グラムのジグに食いついたのはなんと68・2センチ、6・15キロのマクブ。道糸PE2・5号、リーダー35LBというライトタックル。当たりジグは「ムーチョルチア」。
 ◎ゴマフエダイの記録
 平成15年に68キロのアーラミーバイを釣り上げて県の磯釣り記録を塗り替えた上里秀吉さんは、11日午後7時半、今度は95センチ、11・4キロのゴマフエダイのレコードを樹立した。場所はともに久米島花咲港。
 ◎3歳の釣り師
 釣りの楽しさを知った3歳の仲村龍之介君は、23日に泡瀬漁港で23センチのキスやガクガクなど1時間に5匹を釣った。お父さんが仕掛けを投げて竿を渡すと、すぐにリールを巻き始めるのでちょうど良い誘いになるという。

【取材協力】NPO法人「島の風」、ダイワ精工株式会社
 ご意見、ご要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しております。
 (新報アングラーズペンクラブ・仲栄真修)

【写真説明 上から】
(1)伊是名島で竿の実釣テストを行ったテスターたち。(前列右から)盛根直昭さん、米須剛さん、佐久川正悟さん、(後列右から)堀江誠二さん、森田慎一郎さん、太田勲さん、与那嶺功さん、木村州一さん
(2)泡瀬漁港で23センチのキスを釣った3歳の仲村龍之介君
(3)玉城善太郎さんは仕事帰りにショアジギングで良型のスマガツオを釣った
(4)95センチ、11・4キロ。ゴマフエダイのレコードを樹立した上里秀吉さん
(5)豪快にタチウオを釣リ上げた宮城和人さん。タチは外海から戻る夜明けごろがよく釣れると話す
(6)ルカン礁沖のルアーフィッシングでマクブを釣った照屋健さん