秋を感じるキス釣り 今ならチョイ投げでも


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 新北風(ミーニシ)が吹き、朝晩に涼しさを感じる季節になるとキス釣りのシーズンとなる。キスは小さな魚体に似合わず引きが強いから「小さな大物」と呼ばれたり、パールホワイトの美しい魚体から「砂浜の貴婦人」と呼ばれたりする。
 県内ではモトギスとホシギスの2種類が生息しているが、釣れるキスの90%以上がホシギス。方言で「チュラウジュル」と呼ばれるモトギスはめったに釣れなくなった。
 遠投して本格的に狙うなら専用タックルを用意しなければならないが、この時期はチョイ投げでも釣れるので、数千円で買えるセット竿(ざお)でも十分楽しめる。餌は島ミミズが1番だが、なかなか手に入らないのでゴカイや赤エビなどを使う。釣り方のコツは、仕掛を投げ込んだら、少しずつ手前に仕掛けを寄せてくるようにすること。
 各地の釣況をざっと見回すと、屋我地のボート釣りでは15―25センチをベテランで60匹程度。泡瀬海邦公園前では2時間ほどで12―25センチを多い人で25匹程度。西崎から北名城の海岸はポツポツながら良型が釣れている。のんびりと秋を感じるキス釣りはいかが。

【各地の釣果情報】
 ◎カーエーは下げ潮で
 「カーエーの釣れる潮がいつもと違う」。沖縄グレ研会長の翁長良治さんは、例年カーエーが釣れ盛る時期にホームグラウンドで不覚のボウズを食らい異変に気付いた。「上げ潮に釣れるはずのカーエーが、今年は下げでしか釣れず、大型はすべて最干潮間近」。以来、狙う潮を変え、10月は48センチを頭に思い通りの釣果を重ね、1カ月で100匹近いカーエーを釣った。マキ餌は配合餌「押し麦スーパーチヌ」と「バリバリ伝説2」にアミエビを半分混ぜると効果があるとか。
 ◎夜のチヌをルアーで
 警戒心の強いチヌも動くターゲットには自制が利かず、われ先にと飛び付いてしまう。その習性に訴えるルアーフィッシングで、照屋誠さんは夜な夜な釣果を稼いでいる。彼によると日没後の名護湾はいたる所がチヌのポイントで、地味な色のシンキングミノーに好反応を示すという。11日は宇茂佐海岸で40センチオーバー3匹を含む4匹を釣り、以後も安和海岸などでヒットを重ねている。
 ◎ボートでタマン
 上げ潮に乗って接岸するタマンを、浜からだと仕掛けが届かないリーフにボートを浮かべて狙うと数が期待できる。10月26日、午後から友人とローボートで海に出た喜屋武盛治さんは、水深5メートルのリーフでイシミーバイやクチナジ狙いで釣りを楽しんでいたが、使用するルアー(ミノープラグ)を大きくしたらタマンが立て続けにヒットしたという。
 ◎大会告知
 18日に開催される「シマノ鱗海カップ」の申し込みは5日まで。まだの方は急いで申し込みを。詳しくは最寄りの釣具店で。
 ご意見、ご要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しております。
 (新報アングラーズペンクラブ・仲栄真修)

【写真説明 上から】
(1)10月28日、屋我地でボート釣りを楽しんだ村濱美吹ちゃん(5つ)と母親の優子さん
(2)10月28日、安謝新港で46センチを頭に8匹のカーエーを釣った翁長良治さん
(3)名護の宇茂佐海岸で40センチオーバー3匹を含む4匹のチヌを釣った照屋誠さん
(4)ボートからのリーフフィッシングでタマンを数釣りした喜屋武盛治さん
(5)10月30日、城間盛勇さんは熱田漁港で1メートル弱のタチウオを短時間で3匹ゲットした
(6)10月22日、釣り船アリサで深海釣りに出掛けた玉本善英さんは5キロ超のアカマチを5匹釣った