北風吹けばチン到来 屋我地でアタリ連発


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 沖縄でチンと呼ばれるクロダイの仲間は4種ある。ミナミクロダイ(チン)、オキナワキチヌ(チンシラー)、ヘダイ(チバー)、それに八重山が北限とされるナンヨウチヌである。沖縄の忙しい釣り人は、それらをまとめて「チン」と呼ぶ。
 北寄りの風が吹きだした3日、沖縄本島屈指の「チンどころ」である屋我地の様子を見てきた。屋我地ではさまざまなスタイルでチンを狙う。地磯からのウキ釣りや投げ釣り、立ち込みに、ボートからのルアーフィッシング。この日は釣り人に開放された嶺井水産のイカダに上がり、ダンゴ釣りでチンを狙う玉城剛さんを取材した。
 ダンゴ釣りとはダンゴ状にしたマキ餌の中にサシ餌を忍ばせて海底に落とし込み、ダンゴが割れて中から跳ね出る生きエビでチンを釣るという釣法だ。
 実は今季、この日までまだチンは上がっておらず、玉城さんの外にチンを狙う者はいなかった。周りはサビキ仕掛けで面白いようにタマンやシャクチを釣り続け、孤高の釣り人玉城さんの焦りは禁じ得なかった。ところがである。15時半に潮が下げ始めるや東の風が北に回り、ダンゴ仕掛けにアタリが連発したのだ。結果、あれよあれよと言う間に40センチほどのチンが8匹取り込まれ、“屋我地北風劇場”は開演と相成ったのである。

【各地の釣果情報】
 ◎ガラサーも始動
 「強靭(きょうじん)な竿(さお)を海中に突き立てんばかりの強烈な引き、そのパワーとやり合う瞬間は何ものにも替え難い」。ガラサーミーバイ(イシガキダイ)釣りの魅力をそう話す大城健一さんは、読谷の海岸でウニを山ほど拾い、那覇一文字でガラサーをおびき出す。3日、渡堤船の長嶺船長が勧めるポイントに入り、今年4匹目となる3・4キロのガラサーを釣り上げた。
 ◎夜明けの満潮にタチ
 この時季は多くの魚の活性が高くなるが、タチウオはその筆頭株。それを狙う奥間利光さんのポイントは牧港漁港に入ってすぐの右側防波堤。6日はタチウオ針にキビナゴを付けてルアーを扱うようにキャストしては巻き上げ、2時間くらいの間に指5本サイズを頭に10匹の大釣り。「明け方に満潮を迎える日が狙い目」と話す。(注釈:タチウオの大きさは、体高を指何本分かで表すことがある)
 ◎立ち込んでチン51センチ
 上げ潮で岸に寄る魚を待つよりも、魚のいる場所に立ち込む釣りを好む比嘉義和さんの釣り確率は90%に上る。4日は屋我地島の前垣に立ち込み、水深2メートルの浅場からチンヌシーズン到来の号砲となる今季最大の51センチ、2・6キロのチンシラーを釣り上げた。ハリス4号で餌はオキアミ。
 ◎イベント告知
 日釣振沖縄支部主催のファミリーキス釣り大会が、25日に屋我地ビーチで開催される。家族で出掛ける秋の行楽にキス釣りのオプションを加えてみてはいかが。詳しくは日釣振加盟の各釣具店へ。
 ご意見、ご要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

【写真説明 上から】
(1)3日、仕事のことを忘れて釣りに没頭する比嘉建設工業の玉城剛さん
(2)石物師の大城健一さんと、今年4匹目となる3.4キロのガラサーミーバイ
(3)指5本のタチウオを持つ奥間利光さん(右)と釣友の瀬名波和也さん
(4)4日、比嘉義和さんは屋我地の立ち込み釣りで、51センチのチンシラーを釣り上げた
(5)10月中旬、豊崎でチン釣りを楽しんだ仲宗根萌さん、仲宗根優君、仲宗根弘君、山川海結さん
(6)10月21日、北谷海岸でアーラミーバイの子供を釣った目取真こうりゅう君、鷲見わたる君、東恩納りゅうと君の仲良し3人組