夜に狙う70キロの大物 トビイチャーでマグロ釣り


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 8日、南城市海野漁港から千加丸(儀間朝成船長)に乗船しトビイチャーで狙う夜の巨大マグロ釣りに出掛けた。この釣法は、大陸棚周辺でトビイチャーを釣りながら、それを生き餌にしてマグロを狙おうというもの。パヤオ周辺と比べると釣れる確率こそ高くはないが、釣れたら50キロオーバー、時には70キロオーバーの超大物が狙えるのが魅力だ。
 この日は降りやまない雨と荒れ狂う波に悩まされながら、20分おきに餌を交換してアタリを待った。すると、午前1時40分に筆者の竿(さお)に“怪物”がヒットしたのだ。
 剛竿が海面へと突き刺さり、大型の電動リールからすごい勢いでラインが100メートルも引き出された。悲鳴を上げる電動リールと、海面に突っ込んだまま起き上がらない竿。それを必死に支えること35分。やがて暗闇の海に74キロのキハダマグロが浮かんできた。ダイナミックな夜のマグロ釣りはあとしばらく楽しめる。

【各地の釣果】
 ◎ラッキー重なり記録魚
 岸から狙うシイラはまだまだ好調で年内は楽しませてくれそうだが、記録魚の誕生には幾つかのラッキーな演出が必要と言えそうだ。10月30日、糸数哲也さんは北風の中、真栄田岬の岸壁で三つのラッキーを味方につけ記録保持者となった。ラッキーの一つ目、磯から釣り人を遠ざけるほど暗躍していたサメが前日に退治されていたこと。二つ目、ヒットしたシイラが停泊中のダイビング船にラインをこすりながら身を寄せるや、気付いたキャプテンがラインを手に船をかわしてくれたこと。三つ目、猛然と逃げるシイラが、魔法にかかったみたいに進路のアンカーブイをわざわざ手前で回避してくれたこと。かくして、4年ぶりに県の磯釣り記録を塗り替える22キロのシイラは取り込まれた。
 ◎最後は手づかみ大ガーラ
 釣りクラブ・テトラポッツの高里悟さんは、なじみの理容院スタッフにタマン釣りを体験させようと浦添海岸で生きボラを餌に仕掛けを投げ込んだ。しかしヒットするのは大きなウツボ。ガーラらしきアタリはスッポ抜けた。午前零時30分、高里さんの竿に大きなアタリがきた。強い引きと足場の悪さで、みんなに体を支えられてのファイトとなり、どうにか足元まで魚を寄せることはできたが、魚が大きくてタモ網に入らない。高里さんは海に飛び込み手づかみで10キロものガーラ(ロウニンアジ)を取り込んだ。「こんな大物が釣れたのも、協力してくれた理容院スタッフのおかげです」
 ◎タマンはシケの上げ潮で
 「シケの日、夕方の上げ潮に合わせれば高確率で大型タマンが食ってくる」。そう話す金城善隆さんは11日、熟知した恩納海岸のマイポイントで、イカを餌に仕掛け投入からわずか10分で71センチ、5・1キロのタマンを釣り上げた。
 ご意見、ご要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集いたしてます。
 (新報アングラーズペンクラブ・仲栄真修)

【写真説明 上から】
(1)トビイチャーを餌に74キロのキハダを釣り上げた筆者
(2)ラッキーが重なりシイラの県記録を更新した糸数哲也さん
(3)12日、最後は海に飛び込んで10キロのガーラを取り込んだ高里悟さん
(4)11日、仕掛け投入から10分で71センチのタマンをものにした金城善隆さん
(5)寄宮3号で流し釣りを楽しんだ金城酒店主催の釣り大会メンバー
(6)12日、照喜名博郁さんは石垣漁港で初めてタチウオをゲットした