釣りの楽しさ無限大 課題と目標胸に新年へ


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 初めて魚を釣った感激、逃がした魚が夜な夜な夢に出てくる人。今年も人それぞれにさまざまな釣果ヒストリーを刻んで幕を閉じようとしている。振り返れば2007年の筆者の初フォトは、正月に寄宮丸の森山キャプテンが拾った48キロのアーラミーバイであった。海難救助の帰り、渡名喜沖に浮いていたと言う。大きなミーバイは獲物を深追いして海底を大きく離れると、水圧の変化に対応できずに浮袋が膨れてしまう。そうなると泳力より浮力が勝り海底に戻ることができなくなる。
 領域を踏み外したミーバイから、生態系の頂点に立つものとて、その領分を越えては生きられないというメッセージが読み取れる。温暖化問題を持ち出すまでもなく、海は疲弊し魚は減っている。釣りの無限大の楽しさを享受するためにも、恩恵を受ける者の謙虚さをもって海とともにありたいと思う。
 さて、釣り場の選定もピタリと決め、描いた戦術通りにターゲットをものにして笑った人も、魚にまんまとシステムをのされて悔しい思いをした人も、新しい課題や目標を胸にさわやかに新年を迎えたい。そこで年末年始に狙いたい魚種とポイントをその道のリーダーたちに聞いてみた。
 【年末年始、私の狙い】
 「北風吹けばタマン」
 この時期は脂がのったタマンが狙い目。北風吹けば読谷から恩納海岸一帯は高確率で釣果を手にできる。ボートがあれば旧白雲荘下のワニカメ岩に渡り、沖に向かってできるだけ遠投すると釣果は堅い。東風だと苦戦する。(シーランド米須剛さん)
 「塩屋湾のチヌ」
 湾の周囲は4メートルの水深があり、小潮の干潮時でも竿が出せる。重いマキエを打って1号ウキで仕掛けを素早く沈めるスピード勝負がいい。反応の良いこの時期は型より数狙いが楽しめ、入門にも最適。そのほかのポイントは、夢咲公園、浜田漁港、湧川。屋我地水路(ステップ桜沢昌隆さん)
 「風を背にイカ狙い」
 最盛期を迎えたイカはどこと言わず風向き次第でポイントを選ぶ。何度かシャクルうち1度は糸フケを取らず真下にエギを沈めると、がぜんイカの反応が良くなる。エギは3・5号で音が出るタイプ。色は暗い色から明るいものにチェンジしていくことでその場を長く釣ることができる。(シーランド奥平国雄さん)
 「ケラマ磯で初ガツオ」
 例年12月から1月にかけてケラマの磯周りを回遊するスマガツオを狙う。沈みウキをセットした全遊動仕掛けを、オキアミとともに本流に150メートルほど流して釣る。毎月第4水曜日に磯ツアー参加者を募集しているので磯デビューはおまかせを。(サンノリー与那嶺功さん)
 本年も当コーナーをご愛読いただき、ありがとうございました。また情報を提供してくださった皆さま、ありがとうございました。どうぞ良い正月をお迎えください。
 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

【写真説明】
(1)今年の正月に渡名喜沖でアーラミーバイに出くわした森山キャプテン
(2)9日、釣法通りに安和海岸で1.64キロのイカを釣った奥平さん
(3)23日、久高島のテトラで手持ちにより仕留めた36・3キロのガーラと兼島真徳さん
(4)15日の塩川。1・7号ハリスのフカセ仕掛けでタマンを狙い、見事60センチを釣り上げた佐久川尚博さん
(5)20日の西洲。2・5号ハリスで7・75キロのクブシミを釣った鶴見拓郎さん(右)と釣友
(6)16日の21時ごろ、屋我地で51・5センチのチンシラーを釣った屋宜宣之さん