冬の好漁場、中城・金武湾 マクブなど高級魚そろう


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 正月の膳(ぜん)には自分で釣った魚をと、年末の大掃除をこっそりと抜け出して釣りに出かけるお父さんは多い。特に沖釣り派の中には、めでたい席=「赤」や「タイ」といった連想で魚種を絞り込む方が少なくない。そんな意味もあってマダイは日本一の人気ターゲットだが、沖縄に天然モノは生息せず、沖縄で赤いタイと珍重されるのは、深場のキビレアカレンコ(フカヤーマジク)と浅場のタイワンダイ(ヨナバルマジク)になる。
 シケて出船の機会が減る冬場に頼もしいのが、北風に強い中城湾や金武湾といった太平洋側の漁場で、両湾の名物こそがヨナバルマジクである。マジクはシャープな引きも魅力だが、マダイの近縁種だけに魚体も美しく眺めるだけでめでたい気にさせる。ゲストフィッシュにはコガネシマアジやマクブなどの高級魚がそろい、ベテラン陣の冬のたしなみになっている。
 連日ヨナバルマジクの釣果を挙げる第三こなみ丸の宮城船長は、今年は型が良く春先まで楽しめると太鼓判を押し、それを裏付けるように、週に3日は乗船する常連客の東恩納剛さんが、12月28日の3キロを頭に、29日にも1―2キロを3匹と釣り続けた。
【各地の釣果】
◎本部にタマン接岸
 12月下旬、40センチほどのタマンが塩川から瀬底島の護岸に寄っているという情報があった。日ムラがあり、行って実釣した者の過半は釣果を手にすることはなかったが、同27日、前川一也さんは本部新港に出かけ、息子のいぶき君にタマンやイスズミの数釣りを披露してみせた。
◎女性アングラー増
 ルアーフィッシングが従来
の釣りのイメージを変え、積極
的に釣りを楽しむ女性が増えてきた。昨年釣りを始めた照屋尚子さんも釣り場に花咲くルアーアングラー。12月29日は港川漁港をトッププラグで探り、2キロのオニヒラアジをキャッチ。同夜その釣果は忘
年会でいたく感謝されたとか。
◎沖堤に大物オキナ
 釣りクラブ琉磯の瑞慶山勝さんは12月26日、釣友の高良さんと那覇一文字で全遊動流し。昼ごろに潮が上がるやヒットを連発し、2・2キロの湯たんぽサイズのオキナメジナをはじめ、70センチのカツオ、食味抜群のウスバハギなど五目釣りを達成。当日最大の釣果になるはずのカスミアジは、やりとり最中にオニカマスに半分以上を食いちぎられた。
◎安田沖マハタ8・8キロ
 12月23日、島袋幸生さんは安田沖の水深250メートルでレンコダイやクルキンマチを快釣。同仕掛けに海からの贈り物、高級魚のマハタが乗り「釣り納め」に花を添えた。100キロにもなる与那国名物のカンナギはマハタの老成魚。この海域を探れば飛び出す可能性は大きい。
 本年も楽しさが伝わるような釣り情報を心がけてまいります。どうぞご愛顧いただきますようお願い申し上げます。
 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

【写真説明】
(1)12月29日、マジクやコガネシマアジを釣った(右から)東恩納剛さんと伊波博史さん
(2)12月27日、本部新港で、前川一也さんは息子のいぶき君(写真)にタマン等の数釣りを披露した
(3)昨年釣りを始めた照屋尚子さんは、12月29日の港川漁港で2キロのガーラをルアーでキャッチ
(4)12月26日、那覇一文字で2.2キロのオキナメジナ等を釣った瑞慶山勝さん
(5)島袋幸生さんは安田沖の水深250メートルで8・8キロのマハタを釣った
(6)12月16日、宜野湾新漁港でタチウオを狙うお父さんの横でハリセンボンを釣った照屋寛晟くん