羽地内海でキス続々 北風受けず好条件の海流


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 沖縄で釣れるキスは本土のキスとは種類が異なり、主にモトギスとホシギスの2種類である。この時期は産卵前後の30センチ級が交ざるとあって、引き味を求めて県外から訪れるキス釣りファンも多い。
 8日、屋我地島内海のサーフに降り立ったのはダイワフィールドテスターの村越正海さん。各地を釣り歩いた彼に今回屋我地を選んだ理由を聞くと「北風の影響を受けず、島と島との間で流れがあり、すぐ近くに船の航路があるため複雑な海流ができる。こういったポイントがキス釣りにはベスト」とのこと。
 竿(さお)は重いジグも飛ばせるというルアーロッド。スピニングリールに0・8号のPEラインを巻き、リーダーとテンビンをセット。その先に短めの2本バリ仕掛けを付け、前日から入手しておいた貴重な島ミミズをハリに刺し、100メートル越えの遠投を繰り返す。水温が下がる冬場は、やはり遠投で深場を探りたい。
 しばらくして潮の流れが変わろうとした時だった。「これはキスのアタリだね。けっこういい引きだよ」と白い歯をのぞかせた村越さん。釣れたのは25センチ弱のホシギス。大きさはそれほどでもなかったが腹がでっぷりと膨らみ、引き上げた白砂に腹を下にして立ったのには驚いた。
 その後も20センチ級を中心に、同行の高見澤さんと合わせて10匹余りのホシギスを追加。圧巻は最後にきたコーラのビンほどもある太いホシギス。サーフは大いに盛り上がった。産卵期の良型キスは3月ごろまで楽しめそう。
 ご意見、ご要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。(新報アングラーズペンクラブ・サザンフィッシング編集室)

【各地の釣果】
◎屋我地18年のセオリー
 園田由喜夫さんは屋我地でチヌ釣りをして18年、狙いは日中に来る干潮の水位が20~40センチの潮と言う。10日の16時、通い慣れた前垣ポイントに立ち込んで54・8センチ、3・16キロのチンシラーを釣り上げ、18年で培ったセオリーを立証してみせた。ポイントの水深は25メートル、アタリ餌は活きエビでカニは不発。

◎伊平屋ガラサー6匹
 釣りクラブ南釣友会に所属する若き大物師の仲村直さんは、終年大型アーラミーバイを狙いきっちりと結果を残している。彼はこの時期、日中にガラサー、夜にはアーラと昼夜で獲物を狙い分けている。釣友と2人でマキエのウニを100キロ持参し9日と10日に伊平屋遠征。初日はマキエをまくだけに費やし、2日目に精力を集中し昨年同様にガラサーを6匹釣り上げた。3月いっぱい狙えるという。

◎北部西岸にガーラ接岸
 北部の海岸にミジュンの群れがやって来ている。まだ群れは小さく不安定な接岸だが、日に日に出没エリアを拡大している。10日、當山博さんは恩納村の防波堤で長さ10センチ重さ18グラムのシンキングミノーをキャストし、5・8キロのガーラ(ロウニンアジ)を釣り上げた。群れは南下傾向。

【写真説明】上から
(1)これぞ羽地内海の名物ジャンボキスと釣り上げた村越正海さん
(2)10日、伊平屋の防波堤で良型ガラサーを6匹釣った南釣友会の大物師、仲村直さん
(3)10日、屋我地の水路に立ち込んで54・8センチのチンシラーを釣り上げた園田由喜夫さん
(4)那覇新港内にもミジュン。沖の新堤でフカセ釣りをする金城武文さんに2・2キロのオニヒラアジがきた
(5)10日、當山博さんは恩納村の波止で5.8キロのロウニンアジを釣り上げた
(6)国頭の磯に尾長グレ。1月28日、伊礼一彦さんはクイシで48・2センチを釣り上げた