船で楽しむイカ釣り 鍵握るキャスティング精度


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 全国で大流行のアオリイカのしゃくり釣り。近年、沖縄でもこの釣りはブームになり、アオリイカを狙うアングラーが急増した。彼らのほとんどは港や堤防など、磯から餌木を遠投するスタイルでイカを狙う。今回はボートから狙う新しいスタイルのアオリイカ釣りに挑戦した。
 「ボートフィッシング海風」のガイドで中城湾から勝連半島周りを攻める。ボートを潮流に乗せてのドリフトフィッシングは、陸からの釣りとは異なり、違うポイントを広範囲に釣ることができる。さらに特徴的なのは、次々と現れる沈み根や定置網のくいなどのストラクチャーをピンポイントで攻めること。
 どれだけ正確に障害物の周りに餌木を落とすことができるかで、イカのヒット率が大きく違ってくる。キャスティングの精度が釣果に直結するゲーム性の高さが、この釣りの醍醐味(だいごみ)ではないだろうか。
 この日は2・1キロを筆頭に8匹のアオリイカを釣り上げた。しかし船長の坂本貴男さんによると「いいときには2~3キロが連発」するとのこと。今がトップシーズンのアオリイカのボートフィッシング、3月いっぱいは大型が狙えるようだ。

【各地の釣果】
◎泡瀬干潟にチヌ
 泡瀬付近のチヌが安定して釣れている。風が強く、潮が濁れば水深が浅い瀬際がよく、天気の良い干潮時には水深のある漁港で釣れている。1日、17時ごろ、高良俊君と兼城翔君の16歳コンビは、泡瀬干潟で40センチを超えるチヌを釣り上げた。

◎本島沿岸に2キロガーラ
 本島各地に小型ながらヒラアジ類が接岸している。餌となるミジュンの群れがまだ小さく、岸に寄ったり離れたりしていて釣果は安定していないが、今後は一潮ごとに群れ、型ともサイズアップすることが予想される。2月の終わりごろには泡瀬一文字にも接岸、チヌを狙う国場俊さんの仕掛けにも若いロウニンアジが食いついた。

◎仲泊海岸にムラサキイカ
 深海中層を回遊するアカイカ(ムラサキイカ)がなんとカーエー仕掛けで釣れた。1日、仲泊海岸の水深3メートルでウキ釣りを楽しむ津波宗孝さんが、仕掛けを回収しようと巻き始めたところ、ずっしりと重い物体が乗った。足元まで寄せると、見慣れないイカはドラグを鳴らして逃走を図るが、長旅の疲れかほどなく観念してタモに吸い込まれた。海人によるとたまに定置網にも紛れ込むという。「味はアオリが断然上だね」と津波さん。

◎佐敷チンシラー大型
 自己記録56・4センチを持つマルキューフィールド・アドバイザーの仲地宗善さんは、記録更新をかけ週末にフィールドへ繰り出す。23日、屋我地の活性を尻目に佐敷海岸の浅場に仕掛けをぶっ込み、55・5センチのチンシラーを釣り上げた。

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 (新報アングラーズペンクラブ・大城耕)

【写真説明】上から
(1)中城湾でボートから2キロを超すアオリイカを釣った坂本貴男さん
(2)1日、泡瀬干潟で40センチオーバーのチヌを釣った高良俊君(左)と兼城翔君
(3)2日、那覇港で知念吉松さんは息子の優介君と42センチのカーエーを釣り上げた
(4)2月24日、泡瀬一文字で迎えの船を待つ最後の一投でガーラを釣った国場俊さん
(5)1日、仲泊海岸で3キロのムラサキイカを釣った津波宗孝さん
(6)23日、佐敷海岸で55・5センチ、2・82キロのチンシラーを釣った仲地宗善さん