【交差点】福州買い物事情


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 中国では1分、1、2、5毛、1、2、5、10、20元と50元、100元札と10種類のお札が使用されている。日常品や飲食料品なら20元もあれば十分購入できるが、小さな店や露店等の場合、釣り銭不足、または偽札防止を理由に50元札や100元札といった高額紙幣を受け取らないこともしばしば。
 先日近所の店で買い物をし、50元札で払おうとしたところ、店主から「これは偽札」と指摘され、別の紙幣で支払った。自宅に戻り、あらためて「偽札」を観察したところ、あまりにも精巧で繊細な作りに驚いた。同時に、偽札と見抜いた店主の眼力に感心してしまった。
 しかし、どこで偽札を受け取ったのだろう? 考えた末、思い当たる店は2カ所。どちらもにぎやかな場所にあり、連日多くの人が訪れる。店内でどさくさに紛れ、偽札を使用する方が悪いのだが、結果的には確認を怠り、後になって気付いた当方の落ち度となってしまう。
 ほぼ毎日、人民元を利用し、偽札の有無を確認するよう心掛けている私でも、時には気付かずに受け取ってしまう。ちなみにこの偽札は、心優しい? 中国人の友人が本物と交換してくれたのだが、いずれまた彼の手を離れ、市場に出回るのだろうか。
(吉元耕己・中国沖縄民間大使)