【チャイナ網路】高屏シャツと台湾シャツ


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 小泉首相のクールビズを意識したわけでもないだろうが、謝長廷行政院長(首相)と呂秀蓮副総統は、このところ各地で軽装の省エネ効果を力説している。かくして登場したのが、謝氏の「高屏シャツ」と呂氏の「台湾シャツ」。この戦いが意外と熱い。
 「高屏シャツ」とは、謝氏が高雄市長時代、熱帯都市にふさわしい服装として打ち出した、開襟シャツだ。一方「台湾シャツ」は、呂氏が台湾の新しい正装にと、着用を呼びかけてきたもの。先月のお披露目では、白っぽいかりゆしウエア風のシャツが登場している。
 夏は40度近くなる台湾で、スーツはさすがにつらい。実は二十数年前にも、故蒋経国総統が無地のサファリシャツを「青年装」と称して提唱し、ある程度定着した時期もあった。
 フィリピンのバロンタガログ、インドネシアのバティックシャツと、東南アジアではシャツを正装とすることは珍しくない。が、次期総統選候補とも目される2人。キャンペーンには政治的意図が見え隠れする。おかげでせっかくのシャツが、なんだかずいぶん暑苦しい。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)