【交差点】カジノ誘致決定


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 シンガポールでついにカジノが建設されることになった。シンガポールは清潔、まじめな社会を目指し、カジノ建設の話はなかったが、時代の流れであろうか、マカオやマレーシアのジェンティンアイランドに対抗すべく、カジノ建設を決めた。
 カジノを含む大型総合リゾートを都心に近いマリーナベイ地区と観光地セントーサ島の2カ所で一気に開発を進め、観光産業を活性化する。総投資額は50億シンガポールドル。政府は35000人の雇用増を試算し、2009年のオープン予定だ。
 カジノは犯罪のイメージがあり、誘致する場合は反対が出るのが通常だが、シンガポールは実質1党独裁。発表前から業者選定を始め、経済振興が優先された。ギャンブラーではなく、家族や観光客が楽しめるカジノを目指す。テーマパークのユニバーサルスタジオなどさまざまな関連施設も予定している。
 政策が決まれば事は一気に進むのがシンガポール。各専門学校ではカジノ関連のマネジメントコースの準備を始め、賭博中毒にならないよう専門医やカウンセラー育成にも取り掛かっている。害を最小限に抑え、ディズニーランドが開園する香港や発展著しい他のアジアの都市との差別化を図り、魅力的な場所とすることを選択した。
 観光客の顧客が5割を超える弊社も、カジノのショッピングモールに出店するべく調査を開始したところである。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)