【チャイナ網路】牛肉麺の誘惑


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 北京ダックも小籠包も確かにうまい。が、毎回必ず「食べたい」と思うのは牛肉麺だ。沖縄に“そば”があるように、台湾には牛肉麺がある。台北市内に数ある牛肉麺店の中から「牛肉麺大王」を選ぼうと、今、市政府による初の大イベントが開催されている。
 現在エントリーしている店は124軒。市民の投票でトップ30が決まり、24日には市長と市民計100人が、試食してベスト3を選ぶ。現在1位は金山南路の「老張牛肉麺店」。筆者お気に入りの「老董牛肉細粉麺店」も3位とはうれしい。
 外省人が経営する店が多く、看板に「川味(四川風)」と書かれることもあるが、実はこの麺、正真正銘の“台湾生まれ”だ。戦後外省人が故郷の「小碗紅湯牛肉」に麺を入れ、売ったのが始まりだという。特に台北で好まれ、今では台湾各地に有名店がある。
 当然、店ごとに味は異なる。が、基本は豆板醤(トウバンジャン)の香るスパイシーな「紅焼(ホンシャオ)」とすっきり澄んだスープの「清燉(チントゥン)」の2種。ニンニクのきいたキュウリやコンブの千切りなど、1品200円足らずの小皿料理もぜひ一緒に楽しみたい。
 (渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)